白地にブルーのラインが入った勝負服が、薫風の吹く府中の杜で華麗に舞う。まるで昨年の再現VTRを見ているかのようだった。好発から4番手を無理なく追走したディアジーナは直線に入っても“持ったまま”。坂を登り切る手前で鞍上・内田騎手からゴーサインが出ると一気に弾け、追いすがる後続を瞬時のうちに引き離した。
「この馬の持ち味を十分に発揮できました。こういうパフォーマンスを見せられれば、次につながると思う」と内田騎手。くしくも馬主、厩舎、騎手、そしてフラワーC2着からの参戦は、いずれも昨年のレッドアゲート(1着)と同じ。「不思議な縁を感じるよね。それにしても強い競馬だった。オークスから逆算して使ってきたし、馬も成長しているから自信はあった」。田村調教師はサラリと言ってのけた。
そのレッドアゲートはオークスで0秒4差6着に敗れ去ったが、「初勝利を挙げたときから、(ディアジーナの方が)全然、(力が)上と思っていた。だから、これまでずっと手元に置いて調整してきた」と田村師。「距離が延びていいタイプだし、本番でも楽しみだね」と期待を寄せた。
樫の舞台には桜花賞馬ブエナビスタが待ち構えているものの、東京で重賞2勝の実績は大きなアドバンテージ。きょうの勝ちっぷりなら、女王の脚元をすくうシーンがあってもおかしくない。