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専門医に聞け! Q&A 動悸・息切れの“グレーゾーン”に注目

 Q:この頃、脈を測ることがありますが、いつも脈が途切れます。動悸も感じるし体調もよくありません。勤務する会社の景気が悪く、その影響もあるのでしょうか。しかし、定期健診では特に異常はありません。アドバイスをお願いします。(48歳、量販店勤務)

 A:記憶に新しいことですが、2008年9月、米国の大手投資銀行、リーマン・ブラザーズ社が倒産したのをきっかけに、世界的な金融不況が起こりました。結果的に日本は世界一その影響を受け、経済的に大きなダメージを被りました。倒産が相次ぎましたが、当時、ご質門の方と同じような心身の不調を訴えて来院した男性が目立ちました。経営破綻に陥った会社に勤めている人たちで、大半は40代後半でした。

●症状があっても「異常なし」と診断される
 その人たちの主な訴えは、脈が途切れ、動悸が起こり、空気が薄いように感じるというもの。金魚が口をパクパクしますが、ちょうどああいう感じです。
 これらの症状を訴えて、心臓や循環器の専門科を受診し、心電図などの検査を受けても、異常や特定の病気が発見されるとは限りません。検査の範囲も基準値範囲なら、「異常なし」と診断され帰されます。
 狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの心臓・循環器系の病気は、潜在していても症状は何もない状態が続き、あるとき突然発症します。その落差が大きいのが特徴なので、何も症状がないときに受診しても、異常は見つからないものです。つまり、病院で検査をして異常がないということと、本人が異常がないことは基準が違います。
 前述したように、脈に異常があって、患者さん本人は異常があると思っても、検査をして基準値範囲ならば病院は異常なしと診断するわけです。

●十分に睡眠をとろう
 両者の間にはグレーゾーンがあるわけですが、漢方では、このグレーゾーンにある場合自体が、十分に異常があると捉えます。
 質問の方もまさに、このグレーゾーンにありますが、まずはそのことをよく自覚しましょう。生活スタイルに関するくわしいことはわかりませんが、おそらく多忙でストレスも多いのでしょう。今と同じ生活を続けると、やがて狭心症や心筋梗塞など重大な病気の発症につながるおそれもあります。多忙や過剰なストレスから、自分の身を守る砦は睡眠です。十分な睡眠は、疲労やストレスを取るのに効果的です。
 さらにその上で、ストレス解消の趣味を持ったり、運動をしたりするとよいでしょう。体調の維持・増進には漢方薬や鍼灸も役立ちます。

岡田研吉氏(玉川学園・岡田医院院長)
東邦大学医学部卒。ドイツ留学中に東洋医学に関心を持ち、帰国後、国立東静病院で漢方を学ぶ。独自の漢方処方で生活習慣病に成果を上げている。著書『さらさら血液が長生きの秘訣』など多数。

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