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菊花賞 オウケンブルースリ 併走遅れもノープロブレム!

 主役不在とはいわせない。牡馬3冠のラスト「第69回菊花賞」(JpnI、京都芝3000メートル、26日)の最終追い切りが今朝(22日)、東西のトレセンで行われ、この夏最大の上がり馬オウケンブルースリが軽快な動きを披露した。強烈な末脚を見せた神戸新聞杯。惜しくも前には届かなかったが、その上位2頭は菊の舞台にいない。京都の直線でその決め手を存分に生かす。

 デビューは皐月賞も終わった4月26日の福島。未勝利を勝ち上がるのに3戦を要した。最初は決して目立つ存在ではなかったオウケンブルースリが、いよいよ主役として淀のクラシックの舞台に立つ。
 「1度使って調整は楽になっているし、いい状態で臨めそうだね」と音無調教師は静かにうなずいた。もうあわてる必要はない。この余裕がデキの良さを物語っている。
 1週前の追い切りは栗東坂路で800メートル56秒2。平凡な時計にも同師は微動だにしない。
 「馬場状態がかなり悪かったし、時計はそんなに問題じゃない。しっかり併せ馬をすることが目的で、それ自体はうまくいったから」。19日にも坂路で800メートル58秒7、ラスト1F14秒9をマークしており、抜かりなく仕上がっている。
 前走の神戸新聞杯は3着。しかし、内容は強かった。道中は最後方。早めに動いた勝ち馬ディープスカイと、4コーナーではかなりの差が開いていた。「とても届きそうにない」と同師に惨敗まで覚悟させたが、そこから猛然と追い上げた。
 差し届かなかった前の2頭…ディープスカイは天皇賞・秋に進み、2着のブラックシェルは故障でリタイア。目の上のタンコブがいなくなった今、思う存分、その決め手を生かせるはずだ。
 どの馬にとっても未知の領域となる3000メートル。「コーナーが6つあるし、枠順などいろんな要素を味方につけなくてはならない」と音無師。オウケン自身にも折り合いという大きな課題がある。
 だが、そのあたりを踏まえたレースが神戸新聞杯だった。内田博幸騎手はあえて最後方で折り合いに専念。そこからどれだけ脚を使えるか試した感が強い。
 「折り合いさえつけば距離は心配していない。自分のレースさえできれば」と同師は言った。2周目の3コーナー、坂の下りをリズム良く乗り切ればあとはフルスロットル。無尽蔵のスタミナを持つウチパクが栄光のゴールを目指して追いまくる。

 【最終追いVTR】坂路で併せ馬。同じく菊花賞出走のミッキーチアフルに1馬身遅れとなったが、相手の鞍上は体重の軽い生野騎手。この馬自身も仕掛けてからの反応は上々。ゴール前は真っすぐに伸びて時計以上に切れのある動きを見せた。

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