A:炭水化物から食物繊維を除いたものが糖質です。糖質は摂取するとすみやかに血中に入るため、血糖値が上がりやすいという性質があります。その糖質をカットすると、食後の血糖値の急上昇は防げ、血糖値は安定してきます。
糖尿病の一般的な食事療法や運動療法、薬の服用を続けても血糖値が下がらない人の場合は、できる限り糖質をカットするとよいでしょう。
しかし、ご質問の方の場合、境界域ですから、糖質を完全にカットしなくてもよいと思います。また、主食のご飯は白米ではなく、玄米を食べるとよいのです。
玄米は、精白していないので、胚芽や糠の部分には食物繊維が含まれます。ですから、白米に比べ食後の血糖値の上昇は緩やかです。
●精白しない食品を食べる
現在は、白米だけでなく白いパンや麺類、一部の調味料など、多くの食品が精製、精白されています。実は、精白によって取り除かれる胚芽や糠の部分に食物繊維やビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれているのです。
ビタミンやミネラルを摂取するためにも、未精製のものを利用したいものです。
日本の代表的な食品に大豆があります。大豆は豆腐や油揚げ、高野豆腐、納豆、豆乳、黄粉などの加工食品もあります。大豆は食物繊維が豊富です。
食物繊維をとるために豆乳を飲む人がいますが、豆乳はいわば精製食品で、食物繊維は含まれていません。食物繊維は、豆乳をつくった後のおからにたくさん含まれています。
ですから、血糖値安定のためには、豆乳よりおからがお勧めです。食事は、おから料理も野菜サラダもそうですが、食物繊維が多い料理を先に食べると血糖値の上昇抑制に役立ちます。
また、糖尿病の人はビタミンCが不足している傾向があります。しかし、ビタミンCは食品からたくさん摂取するのは大変です。市販薬のビタミンC(アスコルビン酸末)が低価格で売られているので、それを利用するとよいでしょう。
この他、水素水を毎日飲用することにも血糖値(HbA1c)を下げる効果があります。
首藤紳介氏(表参道首藤クリニック院長)
久留米大学病院小児科、大分こども病院、聖マリア病院、湯島清水坂クリニック等の勤務を経て、表参道首藤クリニック院長。自然療法や代替医療をはじめ、水素温熱免疫療法や再生医療(臍帯血幹細胞治療)などの高度先進医療を実践。