(56歳・建設業)
A:腰部脊柱管狭窄症は、脊椎にある脊柱管という神経を囲んでいる管が狭窄する疾患です。
ご質問の方のように、立ったり歩いたりすると、おしりから下肢にかけて痛みやしびれが出るのが特徴です。休むと、症状がやわらぐ場合が多いし、前屈みの姿勢をとると症状がやわらぐのも特徴です。
普通、加齢に伴って発症し、多くは60代から後ですが、ご質問の方のように50代で発症することもあります。
対策法ですが、私はペルピックセラピーという骨盤の形を整える療法を行っています。骨盤のゆがみは、全身の骨格のゆがみをもたらします。
●腰回し運動が有効
そして、骨盤のゆがみは、腰痛や膝痛、肩や首の痛みやこりなどを引き起こす原因となります。骨盤を整えることで、脊柱のゆがみがとれ、その結果、腰痛などの症状が改善していきます。
私の治療院には、腰部脊柱管狭窄症の症状に困っている患者さんも来院されます。多くの場合、骨盤のゆがみを整え、背骨のゆがみも取り、全身の骨格のゆがみを解消すると、症状は緩和してきます。
骨盤のゆがみを整える方法として、ペルピックセラピーでは、生ゴムのバンドをおしりに巻いて腰を回す「ゴムバンド運動」を勧めています。
生ゴムのバンドは、インターネットなどで販売しています。加工して付加価値をつけたものもありますが、プレーンな生ゴムがベストです。
ゆっくりゆっくり回しましょう。まっすぐ立つと痛みやしびれが出ると思われるので、できる範囲で上体を起こしてください。腰回しをしているうちに、上体が少し上げられるようになるはずです。
このほか注意すべきこととしては、椅子に座ったときは、なるべく姿勢を正すようにしましょう。歩くときなど、姿勢をまっすぐにすると症状が出ますが、よい姿勢を心がけることが大事です。
*************************************
山田 晶氏(歯科医師)
骨盤療法(ペルピックセラピー)で著名。日本歯科大学卒業。歯科の領域から骨盤のゆがみに着目。骨盤のゆがみを自分で取る方法として、腰回しの普及に努めている。やまだ治療院顧問。