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風邪から引きずる後遺症 肺機能が低下する「オトナの喘息」が危ない!(2)

 喘息には、咳の他にもいくつかの特徴的な症状がある。もし次のような症状があれば放置せず、喘息かどうか呼吸器科かアレルギー科を受診して検査を受けてみる必要がある。
 (1)呼吸のたびに「ぜーぜー」「ヒューヒュー」といった音がする。
 (2)激しく咳き込む(喘息ではヒュー、ヒューなど喘鳴はない場合)。
 (3)息を吸うと、のど元や鎖骨、みぞおちのあたりがへこむ。
 (4)息苦しい。特に息をはくとき苦しい。
 (5)ねばねばした痰がたくさん出る。
 (6)寝た状態より、起きている時の方が呼吸しやすく楽だ。
 以上に挙げた症状は、深夜か明け方に起きることが多いといわれる。これらの症状は、喘息と診断されなくとも、放っておくわけにいかない。呼吸困難に陥り、気道や肺機能が低下、気道は慢性的な炎症状態になってしまうこともある。

 ならば、そうなる前の予防として、どんな点に注意が必要となるか。
 再び田中医師に聞くと「咳込むことや息苦しさを年齢のせいにしないこと。日常生活の中で喘息を誘発する要因を正しく認識、改善すべきです」と前置きし、「運動と喘息」「十分な睡眠」「ストレスを溜めない」ことなど、何点か挙げた。

 その中には、「気象と喘息」というものがある。「天気で体調の変化がわかる」と同じような話を聞いたことがあるが、東京社会医療研究センター主任・村上剛氏は言う。
 「気象の影響を避けるのは難しいが、喘息の状態を予測して予防できる可能性はあります。喘息は気候が安定している真夏や真冬より、季節の変わり目の春・秋に起こりやすい。寒冷前線の通過するとき、あるいは台風が近づいている時などに発症しやすい。つまり気温の変化が表れるため、着ているものを調整したり、室内の保温に注意したり、外へ出る時は必ずマスクを着用するなど。それをするだけでも予防が可能になります」

 外での運動も同じだ。運動することで呼吸が多くなり、冷たく乾燥した空気を多く吸い込むと、気道が冷やされ乾燥して変化する。その結果、咳込んで苦しくなり、さまざまな症状に繋がってしまう。
 「大人の喘息は過去30年で3倍に増えています。高齢の喘息患者は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)との合併も多く、注意が必要。とくに65歳以上のCOPD合併率は4人に1人。この人たちは、喘息のみの患者さんに比べて、心の健康、体の動きなどが落ちる傾向にあります」(同)

 村上氏はこう締め括る。
 「治療で快適に暮らせる人が少なくありません。バランスの良い食事を取るほか、呼吸に必要な上半身の筋力つけること。腹式呼吸などで呼吸リハビリすることが大切です」

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