第41回東京モーターショーは21日、千葉市の幕張メッセで開幕し、報道陣に公開された(一般公開は24日〜11月4日)。
世界同時不況の影響で海外自動車メーカーの出展は3社のみ。新車販売台数で今年上半期に米国を抜き世界1位となった中国では、4月の上海モーターショーに25カ国1500社以上の参加があっただけに、若者のクルマ離れが進む日本市場への期待低下の表れとの声もあった。
しかし、ふたを開けてみれば国内メーカー各社が最先端の環境対応技術を結集したエコカーを発表。プリウスを擁するトヨタ自動車のプレゼンでは、マイクを持つ豊田章男社長の姿が見えないほどの人だかりができた。
数では今後中国に主役を譲ることが予想されるが、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)など次世代エコカーの技術力に関して日本は世界トップレベル。日本自動車産業の未来は環境技術にかかっている。その戦略も各社さまざまだ。
日産自動車のカルロス・ゴーン社長は、HVと異なり、「排出ガスゼロ」を実現できるEVの優位性を強調。コーナリング時にはバイクのように車が勝手に車体を傾けてくれる、奇抜な2人乗りEV「ランドグライダー」を発表し、EVに社運をかける。
対するトヨタ自動車は、バッテリーがなくなるとEVとして走るプラグインハイブリッド車(PHV)「プリウス・プラグインハイブリッドコンセプト」を国内初披露。
さらに豊田章男社長は「車から離れていたのは若者でなくわれわれメーカーだった」と自省。車本来の走る喜びを与えてくれるスポーツカーとして、40代以上のクルマ好きには懐かしい「ハチロク」を「FT-86コンセプト」としてよみがえらせ世界初公開した。富士重工業との共同開発で11年末の発売を目指す。最高時速325キロ、3750万円のスーパーカー「レクサスLFA」を世界限定500台で発売することも発表された。
奇抜な外装が目立ったのはマツダのコンセプトカー「清(きよら)」。次世代エンジンを導入し、リッター32キロのHV並みの低燃費を実現させた。
一方で、ダイハツのように「軽自動車に車両重量の増えるハイブリッドは導入すべきではない」との考えから徹底した軽量化で次世代エコカーを実現するメーカーもある。次々とお披露目されるエコカーの登場には、鳩山首相もきっと笑みをこぼすだろう。
さて、そんなエコカーは女子の目にはどう映るのだろうか? 本紙は会場のコンパニオンに「彼氏に乗ってほしい車」を徹底調査。その結果、約8割の女のコがエコカーよりスポーツカーを選択。「ゴツくてデッカイのが好き!」という男なら一度は言われてみたい言葉が返ってきた。なんでも「エコカーは環境的だけど、見た目がイマイチ」なのだとか。流行に敏感な乙女たちの目はキビシイ! エコカーのデザインはまだまだ“カイゼン”の余地がありそうだ。