「松井氏は巨人監督の話には見向きもしない。周囲が騒げば騒ぐほど、巨人との距離を広げてしまう。『人気打開策』として、このまま監督人事にも着手するのなら、松井氏の代役も探さなければならないでしょう」(前出・ベテラン記者)
そこで急浮上してきたのが、中畑監督の古巣帰還だ。読売グループは中畑監督をあまり評価していなかった。長嶋茂雄・終身名誉監督の代理でアテネ五輪の指揮を執って失敗したためだが、DeNA投手陣を立て直した今は違う。前述のように「よくやっている」「勉強した」の声が、グループ内でも多くなってきたのだ。
「中畑監督がDeNAを退くという見方が支配的です。DeNAフロントも中畑監督を評価しているのは間違いありませんが、4月29日には大魔神・佐々木主浩氏の殿堂入りを祝福するセレモニーを試合前に行い、コーチ陣も旧ベイスターズOBが増えてきました」(前出・球界関係者)
中畑監督と同じ巨人OBの高田繁GM、吉田孝司・編成スカウト部長も“外様”の居心地の悪さを感じつつある。ベイスターズの功労者でもある山下大輔氏が副GMとなり、元大洋投手・竹田光訓ファームディレクターも、編成業務に加わってきた。中畑監督が我慢を重ねて編成した「井納、山口、久保」の3本柱にしても、こんな指摘がある。
「川村丈夫、篠原貴行両投手コーチの手腕が大きい。新任の進藤達哉・打撃兼作戦担当コーチがベンチをまとめており、実務面は旧ベイスターズOBが抑えています」(同・関係者)
最下位チームの監督では、原監督の後釜としては寂しい。だが、中畑監督は松井氏の新人時代の打撃コーチであり、その参謀役なら適任という見方もある。
「アテネ五輪で長嶋監督を支えたのは本当です。他チーム選出のコーチに長嶋采配を個別に説明するなど、参謀役として常に献身的でした」(前出・ベテラン記者)
中盤戦以降のカギを握る中畑DeNAが巻き返しに成功すれば、原監督の去就にも影響しそうだ。
果たして「松井-中畑」コンビの誕生なるか。