肋間神経痛は、肋骨に沿って走っている肋間神経が痛む症状のことをいいます。左右同時に肋間神経が痛むこともありますが、どこか片方の1点の部位だけがチクチクと痛むことがあります。他にも、胸が締めつけられるような症状に見舞われることもあります。
肋骨や肋間筋のけがや炎症と違って、肋間神経痛は体を動かしたり、ひねったりして痛みが強くなるということは少なく、動きに関係なくチクチク、ズキズキと痛みます。
肋骨に沿って痛みがあれば診断がつきやすいのですが、胸の1点だけが痛むとか胸が締めつけられるといった症状の場合は、医師でもこの病気を思いつかないことがあります。でも、案外この病気はあるものです。治療としては神経痛などの薬を飲むことで収まることがほとんどです。
背骨の変形やヘルニアなどが原因の場合もあれば、原因不明のことも多々あります。また、胸がチクチク痛み、最初は皮膚に何もなくて、2〜3日後に片方の肋間神経に沿って丘疹や水疱が出てくる場合は帯状疱疹です。この場合はなるべく早く皮膚科を受診。帯状疱疹には優れた治療薬があり、早ければ早いほど後遺症を残さず治癒できます。
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監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPはhttps://ijiri.jp