ってなわけで中野の北口にあるカラオケスナックでアルバイト始めたわけ。時給1300円スタートは全然満足できる額ではなかったけど、6時から夜中の2時まで8時間、週4日で月に15万円くらいの副収入になった。でもここに来て4か月もしないうちに気付いたの、ここのお客さんって50歳以上のおじさんばっかり。私が生まれる前の歌謡曲とかを大声で唄っているの。若いお客さんなんて殆ど来やしない、もっと出会いが欲しいのに。同じいなかの高校に通っていたユカが最近池袋のキャバクラでバイト始めたって聞いて、なんかドキドキ。あのチョーまじめのユカが水商売なんて、想像がつかない感じ。
半年ぶりに会ったユカを見て2度ビックリ。とても女子大生には見えないミラクルなお化粧とブランドバッグ。今付き合ってる人が18歳も年上の会社社長なんだって。ユカのやつめ、上手くヤッてるのね。でもって、私もユカが働く店で働き始めたわけ。最初はスナックとは全く違う接客で戸惑いもあったけど、3日もあれば慣れちゃうのね。所詮、雄と雌の見えの張り合いと駆け引きなんだから。普通のサラリーマン、お金持ちのお医者様から2流芸能人やヤクザ関係者までなんて種類の多いお客様たち、さすがに東京のキャバクラね。とりあえず、最初はこの中から政治家のヒショとかいうひととお付き合いしたんだけど、なんだかこの人キモイの。私に汚れた下着に異常に興味があるのね。脱ぎたてのパンティーを嗅ぎながら自分でしごいてるの。だから直ぐに別れちゃった。何でも買ってくれるいい人だったのにね。でも今のオトコは最高よ。ユカが夢中になるわけね。そうなの、ユカの彼氏奪っちゃったんだ。彼女のことで相談があるなんて呼び出されたら拉致されて、でも私は前から彼のことが気になっていたから嬉しかった。彼の愛車X5の中でファーストキッス、箱根のチョー高級旅館で結ばれたの。結果的にユカとの友情もこれっきりになっちゃったけど、このタイミングはどうしても外せなかったの。
結局私は遊びだったわけ。アイツはまた新しいキャバ嬢に手を出した。少し前から怪しいと思っていたからヤツの携帯チェックしたら、なによこのメールは。悔しい。でも今考えればユカも同じキモチだった筈ね、本当にごめんなさい、ユカ。ああ、もうキャバ嬢やめるわ。時計もバッグもたくさん貢がれたけど、今はもういらない。夢のような1年だったけど、結局ここは私には水が合わなかったみたいね。あと1年間真面目に学校に通って、卒業したら新潟で就職しようっと。
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