前走・毎日杯で見せた強さは本物だった。レースは前半3Fが34秒2、5F通過も59秒2と、稍重馬場を考えても緩い流れ。ディープスカイは道中こそ16番手で悠然と構えていたが、4角で11番手まで進出すると、直線ではメンバー唯一の上がり3F33秒台の鬼脚をみせ、先頭でゴールを駆け抜けた。
「今日は道悪だったし、あまり小細工せずにこの馬の競馬をしようと思っていた」と四位騎手。馬の力を信じての騎乗が功を奏した格好だが、「直線はみんな外を回ると思っていたので、馬がよほど下を気にしなければインを突こうと考えていた。今日、通ったところが全然悪くなっていないのは(前の騎乗で)分かっていたから」というファインプレーが勝利に結びついたのは間違いない。
ダービーについては、「次のことはトレーナーやオーナーが決めることなので分からない。でも、折り合いの心配はないし、ボク自身、乗る馬がいないので使ってほしい。まったく個人的な意見なんだけど」と周囲の笑いを誘ったが、その目は真剣そのものだった。
一方で昨年、ローレルゲレイロ(1番人気、2着)で悔しい思いをした昆師は感無量の表情を見せた。
「乗り方はジョッキーに任せていたが、上手に乗ってくれた。周りから(皐月賞をパスしたことを)いろいろいわれたけど、NHKマイルCを選択したのは間違いじゃなかったと思う。東京は直線まで我慢さえすれば、この馬の能力をしっかり発揮できる舞台だからね」
昨年の無念を見事に晴らした昆師はこれがうれしいGI(JpnI)初勝利。今後については「今日の内容なら、オーナーと相談してダービーに進みたい」と夢舞台へ立つことに意気込みをみせていた。