この殺人・死体遺棄現場となった『油井グランドホテル』は、昭和50年代後半頃に開業したものの経営が振るわず、その後平成7年頃に生けす料理店に経営転換。地元の魚を生けすで泳がせ、それら新鮮なネタが個室で楽しめるという珍妙な料理店となった。この物件が別名「活魚」と呼ばれたのは、建物の屋外看板に大きくその二文字が書かれ、それが物件のランドマークとなっていたことによる。だが、そんな風変わりな営業スタイルは世の中に受け入れられるはずもなく、平成10年頃に閉業。以降、廃虚となっていた物件だった。
結局、事件から1週間でメンバー全員が逮捕されたが、この廃虚は皮肉にも“本物の心霊物件”となったことで、その後、以前にも増して若者たちの肝試しスポットとして賑わうことになった……。