阪神の「阪急杯」は実にドラマチック。昨年は圧倒的人気のスズカフェニックスを抑えてローレルゲレイロが逃げ切り勝ち。その前年が好位から抜け出したプリサイスマシーンとエイシンドーバーが1着同着。3年前は中団から伸びたブルーショットガンに、追い込んだコスモシンドラー。いずれも際どい大接戦でした。
今年、私が選んだ主役はトウショウカレッジ。日本で走ったここ4戦はいずれも上がり3F33秒台の豪脚。とくにオーロCの33秒1は際立っていました。前走・バレンタインSも大外を回るロス。加えて流れはスロー。それでも力強く差し切った破壊力は、本物とみて◎を打ちました。
さあ、中山では「中山記念」です。昨年の覇者カンパニーがマイルCS以来の実戦を迎えます。昨年は東京新聞杯を叩いてからのステップ。ポン駆けは過去に関屋記念で決めていますが、厳寒期は疑問です。8歳という年齢も気がかり。同様に有馬記念3着、AJCC2着のエアシェイディも8歳馬。不安がよぎります。
このレースの最大のポイントは、展開が大きなカギを握っています。というのも、顔ぶれから逃げるのはキングストレイルだけ。2番手がアドマイヤフジ。間違いなく超スローペース。中山の内回り1800メートル。前で対応できる馬が断然有利です。
そこで、中山金杯で◎を打ったアドマイヤフジの出番だとみています。中山金杯でも逃げたミヤビランベリの2番手をキープ。直線抜け出し、ヤマニンキングリーやネヴァブションの追撃を振り切り優勝。当時も内回りが舞台。今回も同じような展開が考えられます。
しかも、1800メートルは昨秋の毎日王冠で3着。当時の2着は、あのウオッカ。時計も自己ベストの1分44秒9を記録。昨年は中山金杯優勝の後、京都記念でアドマイヤオーラの2着。厳寒期には強いタイプであることを実証。金杯の58キロから1キロ減の57キロで出走できることも大きな後押し材料。ズバリ、V2です。