例えば、ラジオ番組では「怪談を語ると番組が終了する」というジンクスがあるという。パーソナリティが夏場などに怪談の特集を組み、その度に番組が打ち切りとなる事が相次いでおり、一時期は業界内部でも怪談特集は制作側からの打ち切りのサインではないか、と暗に囁かれていたという。
この噂に真っ向から立ち向かったのが伊集院光だった。彼は90年代に放送されていた自身のラジオ番組「伊集院光のOH!デカナイト」(ニッポン放送)にて「怪談をやると番組が終わる、というジンクスを打ち破る」と宣言。金曜日のスペシャル枠で怪談特集を行った。だが、その後彼は体調を崩し、番組を休む事になってしまったのである。勿論、怪談特集のすぐ後に体調を崩したわけではなかったのだが、当時のリスナーや番組スタッフは「やはりジンクスは本当だったのか」と恐れおののいたそうだ。
昔から言われている話に「怪を語れば怪至る」という言葉があるが、やはりテレビよりトークを重視するラジオ故に起こることだったのか…と思いそうになるが。
「それは単なるジンクスというか、都市伝説に過ぎないでしょう」とは、自身もラジオ番組に出ている山口敏太郎氏の言葉だ。実際、浜村淳氏のように怪談をやっていても何十年も続く長寿番組は多く、また伊集院光も『深夜のバカ力』で披露する怪談は人気となっている。それを含めて、山口氏は「いずれも偶然が重なったためにうまれた噂でしょう」と結論づけた。
テレビよりもリスナーが“耳を傾ける”ラジオ番組。それ故に不可解な出来事があった場合、番組の制作場面や事情を知らないリスナーは色々な想像を膨らませてしまうのだろうか。
兎にも角にも、伊集院氏にはこれからも番組内のトークでリスナーを楽しませて欲しいものである。