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話題の1冊 著者インタビュー 高田純次 『高田純次のチンケな自伝』 産経新聞出版 1200円(本体価格)

 −−30歳で宝石会社を辞めて劇団に入るというのは、思い切った決断でしたね。

 高田 振り返るときつい人生を送ってきたなと思いますよ。宝石会社に勤めて3年たったころ、昔劇団で一緒だったベンガルと柄本明に偶然会って演劇をやらないかと誘われて、やることになった。仕事も順調だったのに、今考えると魔が差したんでしょうね。車の運転も若葉マークのときは慎重だけど、慣れてくるといろんなこと考えるじゃないですか。仕事も同じで、最初のころは必死に何も考えずに働いたけど、慣れてきて金銭的にも余裕が出てきたころで。最初は1年くらいでダメなら辞めようというくらいの気持ちだったし、誘ったベンガルも人数合わせ程度だったと思うんです。
 でも、出演した公演が『11PM』(日本テレビ系)などで紹介されて、これはイケると思って続けちゃったんだよね。ただ、僕は結婚していて子どももいたから、劇団だけで食べていくことなんてできなくて、ありとあらゆるアルバイトをしましたよ。さすがに“人殺し”はしませんでしたけどね(笑)。

 −−その後、『天才たけしの元気が出るテレビ』(日本テレビ系)などで一躍大人気となり、最近では“適当男”というイメージがすっかり定着しましたね。

 高田 60歳までは“聖人君子”と呼ばれていたんですけどね(笑)。60歳のときに出した『適当論』という本がヒットして、適当や無責任というイメージが浸透しちゃって。実は、僕は自分のことを“適当な男”だなんて思ったことは一度もない。そのおかげで、クラブなんかで女性をご飯に誘っても「もう適当なんだから」とか言われて。こっちは本気なんだけど、そういうふうに捉えられちゃうこともありますよね。今じゃ何が適当なのかすらわからなくなっちゃいましたよ。
 適当って言葉を辞書で調べると「適材適所」。“適切男”じゃ人気出ないよね。

 −−高田さんは二枚目で面白いので、すごく女性にモテると思うのですが。

 高田 俺もそう思うんだけどね(笑)。19歳から39歳の女性がいいんだけど、なかなかモテナイね。

 −−どうして39歳までなんですか?

 高田 ほら、40歳以上になると人を見る目ができてくるからだませないでしょ(笑)。他に女性を見るときはヒップがきれいなら顔なんて無くてもいいくらい大事。よく妻が巨乳だと言うと、巨乳好きかと思われるんだけど、おっぱいは大きくても小さくても構わないんですよ。背中か胸かがわかればいいんです(笑)。
(聞き手:本多カツヒロ)

高田純次(たかだ・じゅんじ)
1947年東京都調布市生まれ。専門学校卒業後、劇団員やサラリーマン生活を経て『東京乾電池』に入団。以後、テレビやラジオ、映画で活躍。

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