米国の学者やマスコミの多くは「宇宙人は総じて攻撃的」と主張する。
一方で宇宙人は“善”だとする人物もいる。「冷戦時代の1961年、約50機のUFOの編隊が、ロシアから南下して欧州を横断した…」と暴露したカナダのポール・ヘリヤー元防衛相だ。この発言は、2013年に彼がモスクワにあるニュース専門局のインタビューに応じた内容の一部である。
ヘリヤー氏が国防相の権限でチェックしたUFOに関する報告書のうち、約80%は金星やプラズマなど他の物体だったが、残りの20%余は説明がつかなかったという。また注目すべきは、UFOの出現が数多く目撃されるようになった原因を《原爆を開発してからの数十年間は、UFOの出現が多く見られた。間違った行動を起こさないように彼らは警告している》というもので、これには佐藤元空将も同感している。
米国空軍は、'66年4月に開いた『米下院第89議会軍事委員会公聴会』で、「米国内のどこにおけるものであろうと異様な空中の物体に関する一切の報告の取り扱いにおいて、客観的、徹底的であることを議会に保証いたしましょう」(ブラウン国防長官)と述べた。この公聴会委員には、マッコネル空軍大将、ブラウン国防長官、UFO問題担当グループ顧問のハイネック博士(いずれも当時)などそうそうたるメンバーが顔をそろえた。ハイネック博士は、映画『未知との遭遇』の監修者として名高い。
委員らはこうまとめた。
《米国空軍は、1万147件もの目撃が報告された1947年から1965年の18年間にわたる物体9501例の確認をすでに終えている。しかし残り約6%の目撃例は、どうしても説明できない》
「米空軍はUFO情報に真摯に対応し、記録し、分析して結論を出そうとしている姿勢がうかがえる。日本のように目撃したパイロットの報告を『貴様の頭はおかしいのではないか』と即座に否定する自衛隊の姿勢に比べると、一方的ではない態度が紳士的です」
日本に正しいUFO論議が喚起されるのは、いつの日のことだろうか。