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「救命措置がいる場面に男も女もない」土俵女人禁制問題、当事者の市長が相撲協会に苦言

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画像はイメージです

 今年4月京都府舞鶴市で行われた大相撲春巡業の際、土俵上で突如倒れ病院に運ばれた多々見良三市長が28日、公務に復帰した。

 職員から拍手で迎えられた多々見市長は、同日記者会見を開く。そのなかで、「女人禁制は今の時代では通用しないだろう」としきたりについて否定的な見解を示す。

 そのうえで、「女人禁制を貫きたいとすれば、必ず地方巡業のときには男子の救急できる人を用意するべき」とし、「少なくとも救命措置がいるような場面については男女はないだろう」と、日本相撲協会の危機管理について苦言を呈した。

 さらに、「しきたりを守る上で女性に降りるようアナウンスしたことを責める気はない」と相撲協会の対応に一定の理解を示したものの、「女人禁制が理解を得られるかどうか話し合うべきではないか」とコメントし、現在の「しきたり」を見直すべきではないかという見解を示した。

 4月の春巡業では、土俵上で倒れる多々見市長に相撲協会関係者が駆け寄ったものの、何もできずに立ち尽くす状態に。見かねた看護師の女性が土俵に上がり、心臓マッサージを開始。適切な処置で、市長は一命を取り留めた。

 ところが、心臓マッサージをする様子を見た関係者が「女性の方は土俵を下りてください」と不適切なアナウンスを行う。この様子がSNSで拡散されると、「人の命を助けようとしている人に女性だからというだけで下りろというのか」「男女差別だ」などの声が上がり、日本相撲協会が猛批判されることになった。

 これをきっかけに、日本相撲協会が守る「土俵上は女人禁制」のしきたりについて、「見直すべきだ」という人と「守るべきだ」という人で、激しい議論となったのはご存知のとおりだ。

 「女人禁制」のしきたりを守るべきか、変えるべきかについては十分な議論が必要だろうが、巡業中土俵上で倒れた市長に対し相撲協会関係者は何もできず立ち尽くしたこと、そして、女性が機転を利かせて心臓マッサージを行ったことで市長が生命の危険を脱し、無事公務に復帰できたことは事実だ。

 当事者である多々見市長の言う通り、女人禁制を貫くなら、有事の際に対応できる医療従事者などを配置することを検討するべきだろう。

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