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【雅道のサブカル見聞録】大ヒットアイマス機、今後の模型業界の展望は?

 プラモデルメーカーハセガワがXbox360用ソフト『エースコンバット6』と『アイドルマスター』のコラボにより誕生した「アイマス機」をプラモデル化する「アイドルマスタープロジェクト」。2009年9月から始まったこのプロジェクトは話題を呼び、戦闘機模型としてはかつてない程の大ヒットを続けている。先月末には「1/48 F/A-18F スーパーホーネット アイドルマスター 秋月律子」を皮切りに、第二期プロジェクトがいよいよ開始された。

 このシリーズのプラモデルは第一期プロジェクトで今年の3月までに計9キットが既にリリースされており、第二期では前記したキットの他に7月に「1/48 A-10A サンダーボルトII アイドルマスター 音無小鳥/THE IDOLM@STER SP」、8月に「1/48 F-117A ナイトホークアイドルマスター 萩原雪歩」の発売が決定している。戦闘機模型の企画としては異例のリリースペースの早さは、アイマス人気の凄さがあってこそのものだろう。去年から続くアイマス機人気はプラモデル界が新しい局面に入ったことを示している。

 年々減少傾向にあった模型人口。好調なものといえばガンプラ程度で、最近は固定化してきたコアユーザー需要のみに頼る他ない状況が続き、ここ数年、模型業界はライトユーザーの獲得を至上命題として方法を模索していた。そこで白羽の矢が立ったのがアニメやゲームなどの版権キャラクターとのコラボレーション企画であった。

 90年代までのアニメと違い、00年代のアニメは深夜アニメが増えたこともあり、玩具メーカーがスポンサーに付き、そのメーカーが独占的に商品展開をする機会が減っていた。これにより、比較的どのメーカーでもキャラクターの権利を借り易い状態が出来上がっていたのも事実。その影響で00年代後半から「痛車」人気に着目し、各メーカーから既存の自動車キットにアニメやゲームキャラクターのデカールを付属させた新たな商品展開が始まる。デカールの発色技術向上のおかげでキャラクターのイラストなど幅広い表現が可能になったこともあり、これがヒットを呼ぶ。この流れに慎重な姿勢を取っていたハセガワも多少遅れながらも、アイマス機でこの波に乗り、ヒットを続けている状態を見ると、版権キャラとのコラボ戦略は成功をおさめたといえよう。

 今後もしばらくは多くのライトユーザーが模型に触れることになるという点においては成功といっていいかもしれない。ただ、市場の長期的な再成に繋がるかは少し疑問も残る。(斎藤雅道)

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