不惑の40代も半ばを過ぎると、月日が流れるのは速く感じるもので、ついこの間、金杯が終わったと思ったら、あれよあれよという間にもう有馬記念。小生の周辺では、この一週間、本格的に予想を吟味するものから、今年の漢字一文字となった「安」にちなんだ馬を探すものまで、十人十色の有馬ウイークとなっている。
そんななか、小生が今年の有馬で取るスタンスは、ズバリ! オ・カ・ル・ト。トレセンに詰めていた現役の記者時代は、もちろんご法度だったが、当コラムのコンセプトは別腹。年末の祭典ぐらい、お堅い言葉は抜きにして、自由に勝負してみるのも悪くはない。
もっとも、先述の「安」ではないが、世相を反映するといわれるグランプリ。忘れもしないのは、アメリカで同時多発テロが発生した2001年。13番人気のアメリカンボスが2着に突っ込み波乱の幕切れを演じた、勝ち馬マンハッタンカフェとの「アメリカ馬券」は、単なる偶然とは片づけられないものがある。
そして、今年、悲劇は繰り返され、パリで何の罪もない人々がテロの糾弾により、尊い命を落とされた。不謹慎ながら、今年はこれがひとつのキーワードになりそうな予感がするのは小生だけか…。
狙いは(16)マリアライト。母父が凱旋門賞で、日本調教馬として初めて連対を果たしたエルコンドルパサーなら、父は3着入線ながら後日、禁止薬物の陽性反応が出て失格処分となったディープインパクト。このフランスでの明と暗の血を受け継ぐ当馬の鞍上が、奇遇にも“明”のエルコンドルの主戦を務めていた蛯名というのも、何かの因縁を感じる。
さらにである。有馬には当馬の半弟(12)リアファルもスタンバイしているが、そう…手綱を取るのはフランスの名手・ルメールなのである。いかんせん、出来過ぎともいえる、このフランスつながり。
姉は前走でエ女王杯を制覇、一方、弟も菊花賞3着と双方、今季を迎えて地力を格段に増しているだけに、驚愕の結末が待っていても不思議ではない。
コロガシで3万円が目標の当欄だが、一年の締めくくりということで、ラストウイークは有馬一本で勝負! この姉弟でワン・ツーの夢がかなえば、温泉の旅費の残りは、フランスで犠牲になった方々への募金にまわそうと切に思っている。
≪馬連≫(12)(16)に3000円!
※出走表などのデータは、必ず公式発表のものと照合し確認して下さい。
【プロフィール】
元スポーツ紙記者、中央競馬担当。記者時代は北海道シリーズを得意とし、函館記念4年連続万馬券的中の偉業も。現在も厩舎関係者と親交があり、フリーとして執筆活動を行っている。