ここ10年ではファルブラヴ(2002年)、アルカセット(05年)の2勝のみと、かつての強さが感じられない外国招待馬だが、今年は久々に超大物が来日する。
その名はコンデュイット(牡4歳、英)。昨年、英セントレジャー(GI)を優勝して初のビッグタイトルを制覇。勢いに乗って海を渡り、米国のBCターフ(GI)に挑戦すると、イーグルマウンテンを1馬身1/2差退け、GI2連勝を達成した。今年はKジョージVI世&QエリザベスS(GI)を快勝。続く凱旋門賞(GI)はシーザスターズの4着に敗れたものの、BCターフでは後方から末脚を伸ばすと、逃げ粘るプレシャスパッションを1/2馬身差かわしてゴールに飛び込み、史上2頭目のBCターフ連覇という快挙を成し遂げている。
管理するスタウト調教師は英ダービーを4勝している名伯楽。1996年にシングスピール、翌97年にピルサドスキーでジャパンCを連覇しており、世界で唯一、JCを2勝している調教師でもある。
欧州調教馬は、速いタイムの決着になることが多い日本の馬場への適応力が課題になるが、この馬はBCターフでサンタアニタ競馬場の軽い芝を難なくこなしているのがセールスポイント。ここ2年の勝ち時計、芝2400メートル2分23秒4、2分23秒7も速く、スピードの裏付けは十分ある。さらに左回りでは4戦4勝の実績を誇っている。
10月のKジョージの後、マイネル軍団で知られるビッグレッドファームが種牡馬として購入したのも、日本競馬への適性を高く評価したものといわれている。
来日は19日と遅かったが、「食欲がおう盛で体調はとてもいい。順調に調整できている」とクロンビー調教助手。金曜日にムーア騎手が騎乗して東京競馬場の芝で追い切られる予定だ。
【今朝の動き】25日に千葉県白井の競馬学校から東京競馬場に移動したばかり。そのため、今朝は芝コースをキャンターで半周するだけの軽いメニュー。バランスの取れた好馬体、しなやかな脚さばきは“本物”と思わせるもの。落ち着きも十分で、早くも環境に溶け込んでいる。