さすがにもう居なくなったかと思いきや、とんでもない形で現れた。それは7月22日のこと、夏の甲子園大会出場へ向け熱い戦いが繰り広げられるグラウンドをよそに、観客席が騒然となった。
神奈川県大会4回戦が行われていた「大和スタジアム」。午後6時頃、学生らが声援を送る中、女子高生(高1・16歳)が観客席の階段を下りようとした瞬間、横の座席から棒状のようなものが延び、スカートの下へ入り込んだ。
「これに気付いた男性教諭が、棒を持った男の手を押さえた。その棒は段ボールを筒状にしたもので、先端には撮影機能が付いた携帯型音楽プレーヤーが付けられ、動画が記録できるようにセットされていたのです。男は駆けつけた大和署の警察官に、県迷惑防止条例違反容疑の現行犯で逮捕されました」(地元紙記者)
しかも、逮捕された國近康二容疑者(39)は、海上自衛隊・厚木基地の第3航空部隊に所属する3等海佐という身分。この日、國近容疑者は、わざわざ基地から自宅に戻り、手作りの盗撮用具を手に球場を訪れていたという。
海上自衛隊の航空部隊(航空機約250機、人員約11000人)の主力は、いずれも厚木基地に部隊を置いている。中でも第3航空部隊は固定翼哨戒機部隊で、P3C、P1で東シナ海の尖閣諸島付近の警戒やイエメン沖での海賊対策、対潜水艦戦などの重要任務に当たっていることで知られる。
「そんな中、國近容疑者は防衛大出身のエリートで、P3Cの機長でもあったのです。第3航空隊では幹部の1人で、将来は海将への道を進むものと期待されていた存在。それだけに海自幹部らは頭を抱えているのですが、厚木基地では今年6月、航空集団司令部勤務の3等海曹(36)も強姦容疑で逮捕されている。しかも、それ以前にも逮捕歴があったことが発覚し、犯歴隠し調査の最中だったのです」(海上自衛隊関係者)
'08年、この3等海曹(当時海士長)は、交際中の女性に暴行を働いたとして逮捕されたが、不起訴となっていた。
「ただし、通常、任期制の海士長から不任期制の3等海曹へ昇進するには、競争率10倍以上の試験と、徹底的な身体検査を受け、突破しなければならない。そういった過去の犯歴を隠した上に昇進できるなどありえない話です。日本の防衛の要に位置する部隊がこう緩んでいては、国民の信頼を失いかねない」(同)
夏の甲子園も開幕! 清らかな青春の場を汚さないでもらいたいものだ。