突然、女性にそう問いかけられたら貴方は何と答えるだろうか?
1980年代初頭。日本中の子供達を震撼させ大人達をも巻き込んで騒動になった恐怖の都市伝説。
『口裂け女』
そして今もなお彼女の噂は衰えることなく語り継がれている。
口裂け女の主な外見的特徴、年齢は20歳ぐらい、長身でロングヘアで色白、顔には大きなマスク。
トレンチコートにハイヒール、そして手には刃物を持っている。
口裂け女は、学校帰りの児童に「わたし、きれい?」と訊ねてくる。
「きれい」と答えると、「これでもかあ?」と言いながらマスクを外す。
するとその口は耳元まで大きく裂けており、追いかけて来るというもの。
「ぶさいく」などと答えると包丁などで斬り殺される。または口裂け女のように口を耳まで裂かれてしまうという残酷な結末。
しかも口裂け女は100mを3秒で走るので逃げても無駄。
しかし、口裂け女はなぜそのような口になってしまったのか?
交通事故にあって口が裂けた、整形手術の失敗…等々と諸説ある。
撃退するには「ポマード、ポマード、ポマード」と3回唱えれば良いらしい。
なぜなら彼女に整形手術を施した時の医者がポマードベッタリの頭だったので、それ
がトラウマになっているのだとか…。
まさに口裂け女ブームとでも言おうか。
当時、学校では毎日口裂け女の話題で盛り上がり、ホームルームでも議題になったぐらいだった。
実際に口裂け女を見たとか追いかけられたとかいう者もいた。
ある地域では集団下校になったり、パトカーが出動する騒ぎになったところもあったらしい。
テレビ、漫画や雑誌などのマスメディアでもで口裂け女特集。
ガチャガチャ(今で言うところのガシャポン)では“口裂け女の口”という赤いゴム製の唇マスクのおもちゃまで発売される始末。子供達は口にかけて遊んでいたのだった。
私に強烈にインパクトを与えた口裂けムーブメントから来たと思われる漫画がある。
巨匠・好美のぼる先生の『眼裂け女』
ギャグー! と奇声を発して目玉を抉り奪いまくる眼帯をした眼裂け女。私の中では傑作ホラー漫画だ。
全国を恐怖のずんどこに落としいれ、今なお衰えぬ恐怖を保ち続けた彼女こそ怪談界のミューズなのかもしれない。
(怪談作家 呪淋陀(じゅりんだ)山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou