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ヒットドラマ連発だった2000年代と今は何が違う? キャスト問題から現代的な事情も

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阿部寛

 2019年10月からスタートする秋ドラマ「結婚できない男」(フジテレビ系)に期待の声が高まっている。

 2006年夏に火曜22時枠で放送され、人気を集めたこのドラマ。阿部寛演じるクセのある建築デザイナー・桑野信介がいわゆる“おひとりさま”を満喫する姿と、ヒロインの女医・早坂夏美(夏川結衣)とのじれったい恋模様、未婚という選択肢への考えなどを面白く描いて話題となった。脚本はドラマオリジナル。桑野の“13年後”を描いた続編も1期と同じ尾崎将也氏が担当する。しかし、先日発表されたキャストに、夏川の名前がないなど、一部ファンは不安の声を上げている。

 2000年代は今と比べて「ドラマが豊作だった」と言われることが多い。もちろん1990年代もヒット作は多いが、「結婚できない男」と同じ2000年代だけに絞っても「白い巨塔」「14才の母」「1リットルの涙」「ウォーターボーイズ」など、書き切れない。テレビドラマを好む層から「昔は1クール見続けたドラマが何本もあったのに」「最近のヒット作は年に数本レベル」と言われるのはなぜなのか。

 一つはキャスティングの問題があるという。

 尾崎氏のブログによると、「連続ドラマはほとんどの場合、主演俳優が決まっているところに脚本家が呼ばれ、『この人を主役にしてどんなドラマを作ろうか』と考えるところから始まる」とのこと。「結婚できない男」の場合も、原作があるものの提案をのまなかった阿部側が、尾崎氏の「偏屈な男が主人公のラブコメをやったら面白いのでは」という話に乗ったことから始まったという。純粋に作品の魅力を追い求め、脚本家サイドに意見できる主演級の俳優が、今はどのくらいいるだろうか。

 また、脇を固める配役に関しても日本のやり方は独特だ。海外ドラマは脚本が先にあり、そこからキャストをオーディションする流れなのに対し、日本のドラマは主演ありき。2000年代の高視聴率ドラマは10年単位で見るとSMAP主演ものが総なめしているが、年間単位で見るとジャニーズ主演作品以外も多く高視聴率を記録している。2010年以降は1年単位で見ても高視率トップ10の3、4本は嵐中心のジャニーズ主演ものだ。

 「ジャニーズに限らず大手事務所の力が大きく、バーター出演などもあるため、人気の原作を持ってきてもキャスティングが本当に役柄・演技力を吟味して割り当てているのか、視聴者は疑問に思っているようです」(ドラマライター)

 「結婚できない男」が人気となった理由は、俳優陣の演技力と作り込まれた脚本の人気だ。主人公の桑野だけではなく、ヒロインの早坂視点でも物語を描き、桑野の偏屈っぷりが光るコメディ要素と、結婚・恋愛に関する2人のもどかしい距離感や絶妙な心理描写の両方が見られ、称賛の声であふれた。

 昨今のドラマでも、もちろんこういった脚本の工夫はされているが、取り巻く視聴環境が変化してきたという。

 「近年、テレビの視聴者自体が減少したこともあり、“いかにドラマを注目させるか”に力が注がれています。とにかく人気の俳優・女優を使い、ネット上で“バズる”ために俳優のファンにだけ分かる小ネタを挟む、主題歌を演者に歌わせる、視聴者がユーチューブなどの動画サイトに二次投稿するような歌・ダンス等を取り入れるなど、“純粋なドラマの中身”以外に注力せざるを得なくなりました。注目を浴びる一方で、『小ネタに頼らないと視聴率取れないんだな』『踊る前に演技力磨け』など、原作の魅力にプラスアルファするものが演技力や脚本による描写でないのを批判する声もありますね」(ドラマライター)

 加えて同ドラマのようなオリジナル脚本は減る一方。近年のドラマは大多数が漫画原作、または海外ドラマのリメイクに頼っており、ドラマ版のキャスティングが決まるたびに原作ファンから賛否の声が集まる。

 もちろん今も面白いドラマはあるのだが、ヒット率が落ちているのは周知の事実だろう。NetflixやHuluなどの台頭により「追いかけて視聴するがリアルタイムでは見ない」層が増えた今、「次回が待ち遠しいほど面白いドラマ」の豊作時代が再び来ることはあるのだろうか。

 「結婚できない男」の続編、同じく13年歳を重ねた当時の視聴者からの期待は高まるばかりだ。夏川演じる早坂との破局後を描く今回、前編からのファンを満足させられるのか、同時に今期から見始める若い世代を魅了するのか、ぜひ注目したい。

記事内引用
尾崎将也 公式ブログより http://ozakimasaya.jp/blog/2013/01/post-1.php
視聴率に関して出典
年代流行より https://nendai-ryuukou.com/

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