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エジプト出身力士の前途多難

 外国人力士に席巻されている大相撲に、ついに現れた初のアフリカ大陸出身力士、大砂嵐(20・大嶽部屋)が夏場所で序の口デビューを果たし、見事優勝した。
 「大砂嵐はエジプト出身の期待の星。16歳の頃、世界ジュニア相撲選手権で個人無差別級3位に輝いた。相撲を始めて1年足らずでの快挙でした。189センチ143キロという均整の取れた体格。今の相撲は技より体格ですし、外国人力士は皆プロレスのつもりでやっている。把瑠都のようにはいかないかもしれませんが、関取にはなれるんじゃないですか」(スポーツ紙記者)

 しかし問題は、自身がイスラム教徒であることだ。戒律で豚肉を食べることは許されないうえ、月に1度のラマダン(断食)もある。
 「チャンコも豚肉を使ったものは食べられない。昔は手をつくことを連想させるため、豚肉はチャンコで使われなかったくらいだからいい。でも、ラマダンはそうはいかない。水も飲めないだけに、激しい朝稽古はとても耐えきれない。大量の汗をかいても水分補給をまったくできないのでは、虚血性の心筋梗塞を引き起こすことも考えられます」(相撲記者)

 かといって、ラマダンの日は稽古を休むというわけにはいかない。実際、過去には稽古中の心筋梗塞で命を落とした力士もいるため、部屋は相当の配慮が必要とされる。
 「弟子入りを希望する若者を見境なく入門させる今の相撲部屋を象徴しています。相撲に向き不向きに関係なく、力士一人あたり年間約180万円の補助が出る。しかし、断食の日は水分補給と食事もできないのでは力士は務まらない。イスラム教を改宗させるくらいの厳しい態度で接しなければなりません」(相撲ジャーナリスト・中澤潔氏)

 どこまで続けられるか。

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