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プロキオンS 北の刺客オフィサー見参

 過去10年で1番人気の優勝は6回。プロキオンSは実績馬が実力通りの走りを見せるケースが多い。しかし、その傾向は近年変わりつつあり、ここ3年は人気薄が大活躍。2006年のメイショウバトラー、昨年のヴァンクルタテヤマはともに7番人気だった。そして今年、一発を狙う刺客が北の大地からの殴り込みをかけるオフィサーだ。

 まさに異例のプロキオンS出走だ。通常では考えられない北海道からの超ロング輸送…函館→阪神競馬場間は実に1000キロを超える。しかも、前走の北海道スプリントC後は門別競馬場近くのグローバル・トレーニングファームへ放牧、そして2日に函館入りして最終追いも当地で行う。
 「すごい移動の仕方でしょ。でも、地方交流戦などで何十回も輸送を経験しているので、問題ないんです。今回だって馬自身にすれば栗東から京都や、阪神に行くのと変わらない感じじゃないかな」(日高助手)

 今年の森厩舎は北海道を拠点にして全国各地へ転戦。先月20日も函館に滞在していたスマートセントラルが福島へと遠征し、開成山特別を勝利している。森厩舎にとって、北の大地からの遠征は普通のことなのだ。
 「ジンマシン明けだった前走に比べると馬自身も使って確実に良くなっている。それに前回の千は正直、距離が短すぎた。今度は守備範囲の阪神千四。昨年、オープン特別を勝っているように条件はいい」と日高助手は期待を寄せる。
 ダート短距離界での顔となっている同馬も、すでに今年で7歳と現役生活も残り少なくなってきた。それだけに10度目となる区切りの重賞挑戦で陣営は悲願のタイトル奪取を目指す。
 「前走も苦手の千ながら終いは伸びていた。今回は力を発揮できる舞台だし、流れひとつでは十分にチャンスはある」
 海を渡り、山を越えてやってくるタフネスホースが、夏の仁川で“砂嵐”を巻き起こす。

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