内藤は亀田興について当初は特別な意識はなかった。「一ボクサーとして試合があれば、翌日の新聞で結果を見るぐらいだった」。しかし、24日の予備検診では「関心が高まるにつれて、気持ちも高まり、また違う感情が出てきた」と心境は変化してきた。ボクサーとしては「パンチもある。ただ僕は相手が誰であろうと、強いと思うようにしている」と評価。
一方の亀田興は内藤戦を自らの実力をはかる指標ととらえている。「内藤選手はフライ級の日本人ではナンバーワン。自分の実力を知るにはちょうどいい相手。夢の3階級制覇に向けてのテストマッチやと思っている」。王者をたてながらも、攻撃的な姿勢は変わらない。
35歳の王者と23歳の挑戦者の比較でよく聞かれるのが「経験の差」だ。
これについて亀田興は「(ボクサーとしての)年数的な意味では、そこまでの差じゃないと思う。ただ、苦しい試合をしているかは違う。おれが苦しかったのは(初の世界戦の)ランダエタ戦だけ。苦しくなった時にどう闘うか、おれが一番楽しみ」と話す。
キャリアだけで勝てるほど甘くないのは内藤も重々承知している。「結局は勝ったもんが強い」。29日、どちらがチャンピオンにふさわしいか答えが出る。