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青学・神野大地も東京五輪マラソンで活躍できない駅伝出身選手育成の大問題

 正月の風物詩ともいえる箱根駅伝は青山学院大学の初優勝で幕を閉じた。神野大地の活躍もあり2位の駒沢大学に10分以上の差をつける圧倒的な強さが際立ったが、今年の駅伝中継でたびたび耳にしたのが「東京五輪で」のフレーズだった。

 駅伝で活躍した学生たちには、来る2020年の東京五輪で活躍してもらいたい。しかし、前回ロンドン大会の男子マラソン代表3選手は、箱根駅伝の出場経験はあるが目立った成績は残していない。かつて『山の神』と称された柏原竜二(25=富士通)も、実業団入りした後は、むしろ伸び悩んでいると言っていい。
 「“マラソンと駅伝は別競技”の解釈も、陸上関係者の間で定着しつつあるようです。やはり、約20キロの起伏の激しい山道と42.195キロを走るのとは違う。どちらも専門的な練習を積み重ねなければならず、マラソンと駅伝、選手を分けて育成すべきかもしれません」(スポーツライター・飯山満氏)

 とはいっても、実業団=企業にはマラソン、駅伝の両方の専門ランナーを雇用する資金力はない。
 「元旦恒例の企業駅伝でも好成績を残している実業団チームのスカウトによれば、長距離ランナーが国際マラソン大会に出場するには、最低でも3カ月の専門トレーニングが必要だそうです。そのため、12月に福岡国際マラソンがあっても、元旦の『ニューイヤー駅伝』と時期的に重なるから、マラソンのトレーニングに専念させられないと嘆いていました」(同)

 五輪競技ではない『駅伝』を企業チームが重要視する理由は、一昔前に企業が野球チームを持っていたのと同じで社員の注目度が高いから。またマラソン、駅伝ともに、1年間その専門トレーニングをさせる環境を維持するためには、約2000万円の費用が掛かるという。同じ2000万円を投資するなら、社会的にも関心の高い駅伝をより重要視した方が企業の宣伝にもなると判断しているのだ。
 「駅伝は国際大会があっても、日本独自の競技。マラソンとの共存は今後の課題です」(大会関係者)

 5年後に間に合うか…。

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