関東の最終兵器フサイチアソートが来たる本番へ向け、クラシックの登竜門・弥生賞から始動する。
キャリアわずか1戦の身で臨んだ前走・東スポ杯2歳Sは、余力たっぷりに鋭く伸びて快勝。新馬戦同様、馬群を割って抜け出す勝負根性を披露した。上がり3F34秒2はもちろんメンバー最速。下した相手にはのちに朝日杯FSを制し、2007年最優秀2歳牡馬に輝いたゴスホークケン(4着)もおり、非常に中身の濃い内容だったといえる。
レース後はいったん調整放牧に出され、1月下旬に帰厩した。
「いいリフレッシュになったと思う。本当なら目の前にぶら下がっていた朝日杯に出したかったけど、千六→千八と使って連勝しているのに、また千六の忙しい競馬をさせたくなかった。枠順に左右されたり、厳しいレースでもあるしね」
岩戸師は先を見据えてジッと我慢。「その後も京成杯は寒い時季のレースだし、共同通信杯は東スポ杯と同じコース、距離だから、ここまで待つことにした」と用意周到にプランが練られてきた。
この英断が功を奏したのか、帰厩後の調整はいたって順調だ。1月31日から時計を出し始め、今月2日までに計9本もの追い切りを消化している。1週前の27日にはニューポリトラックで5F64秒1→50秒5→37秒1→11秒7(強め)と、この時期の3歳馬としては破格の時計をマーク。シャープな動きで、万全の仕上がりをアピールした。
「放牧先でも乗り込んできたからね。27日にビッシリ追ったから、本番の週は軽く流す程度でいいと思う」と師は納得の表情を見せていた。
開業以来、初めて愛馬をクラシック路線へ送り出すトレーナー。「相手は強くなるけど、順調にきているし、いい競馬をしたい」
自然体で挑む姿勢がまた不気味だ。