武藤嘉紀に代わり北川航也が起用された以外は、ラウンド16サウジアラビア戦と同じスタメンとなった日本。ベトナムのカウンターに遭う場面もあったものの、ボールを支配しながら相手ゴールへ攻勢を強めていく。
前半24分、柴崎岳のコーナーキックに合わせた吉田麻也がヘディングでシュート。これがゴールネットを揺らし、日本が先制に成功したと思われた。しかし、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)により吉田のハンドが取られたことで、主審の判定は一転してノーゴールへと覆った。
先制点を挙げられないまま、0−0で前半の戦いを終えた日本。準々決勝から導入された“文明の利器”に、図らずもそっぽを向かれた形となってしまった。
しかし、エンドが変わった後半12分、そのVARが今度は日本に味方する。相手DFがペナルティエリア内で堂安律を倒したプレーが、一度は流された後、VARによりファウルの判定に。PKを得た日本は、倒された堂安がこれを確実に決め、均衡を破る先制点を奪取した。
その後、劣勢のベトナムに反撃されつつも、最後まで得点は許さなかった日本は1−0で勝利。翌25日の試合で中国に3-0で勝ったイランと、28日の準決勝で対戦する。
優勝した2011年カタール大会以来、2大会ぶりの4強進出となった日本。今回の一戦を受け、ネット上には「とりあえず前回の壁は越えられてよかった」、「いくつか不安もあったけど、なんだかんだ無失点で凌いだのは素晴らしい」、「あと2戦勝ち切ってアジアの頂点に立ってほしい」といったコメントが寄せられている。
一方、中には「VAR様様の試合だったなあ」、「個人的なMOM(man of the match)は間違いなくVARだな」、「次戦以降もVARがカギになりそう」といったコメントも。試合中2度に渡って登場したVARが、勝負を分けた一因だと考えている人も多いようだ。
文 / 柴田雅人 ※試合日付は日本時間