ところがこの温泉地に唯一、スケベをウリにした温泉旅館が存在した。御在所ロープウェーの麓、その名も『男性天国スペシャルサウナ湯の山』である。1〜4階までは普通の宿泊施設だが、建物5階は完全個室のマッサージルーム。料金は60分で入浴料5000円、サービス料が別途1万円……そう、その実態はソープランドなのであった。
個室内には空気マットにスケベ椅子、ローションの備品類があちこちに散乱。窓には御在所山も見えて、ロケーションも最高だ。疲れたら階下でビールを飲んですぐに寝られるし、まさしく男性天国。
だがしかし、このお店はひとつだけ致命的な欠点があったという。
「ヤングギャルが待ってます」
そんな風に、チラシには書かれているのだが、実際に出てくるのは稀勢の里のような女ばかりであったという。桃源郷など、やはり夢幻……。