モンキー・パンチさんは1937年北海道生まれ。手塚治虫に憧れて漫画家を志し、アメリカンコミックスの影響を受けた作風で、新時代の漫画表現を切り開いた。モンキー・パンチの名前も、アメコミ風のイメージから当時の雑誌編集長が適当につけた名前で、1年ほどで変える予定であったが、長く定着してしまった。
モンキー・パンチさんの死去を受け、4月19日放送の『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ系)において、劇場版第1作となる『ルパン三世 ルパンVS複製人間』が放送される。『金曜ロードSHOW!』の公式ツイッターでは17日に「モンキー・パンチ先生への心からの哀悼の思いと感謝の気持ちを込めてお送りする」と放送の意図を投稿している。『ルパン三世』の劇場版といえば、宮崎駿が監督を務めた第2作『ルパン三世 カリオストロの城』がよく知られているが、第1作も名作として知られる。
『ルパン三世 ルパンVS複製人間』は1978年に当初『ルパン三世』という題名で公開された作品。注目なのはゲスト声優であろう。『あしたのジョー』『タイガーマスク』『男の星座』など数々の硬派漫画の原作者として知られる梶原一騎、『天才バカボン』『もーれつア太郎』などで知られるギャグ漫画家の赤塚不二夫が声の出演を果たしているのだ。さらに、主題歌は三波春夫による「ルパン音頭」という豪華な並びである。本作は子供を含めた全年齢を対象としていたアニメ作品とは異なる、大人向けの作品を目指したようだ。
アニメ版のルパン三世といえば、峰不二子の尻を追いかけるスケベながらもどこか憎めないひょうきん者といったキャラクターである。だが、モンキー・パンチさんが描いた漫画版のルパン三世は「世紀の大悪党」であった。映画版第1作『ルパン三世 ルパンVS複製人間』はそうしたクールなルパンが見られそうだ。