「先発投手の頭数が足りません。能見、メッセンジャー、藤浪、そして、ドラフト1位の岩貞を4番手に数えなければならない状況で、オリックスから井川慶をトレードで呼び戻す交渉も進めています」(在阪記者)
窮地に陥った理由は明白だ。オフの補強に失敗し、先発、中継ぎ、クローザーの人数構成がアンバランスになったためである。
「中日からFA宣言した中田賢一を逃したのが痛かったですね。新クローザーとして、韓国から呉昇桓(オ・スンファン)を獲るには、外国人選手枠がネックとなり、リーグ3位の防御率を残したスタンリッジを断腸の思いで切りました。その穴を中田か、同じくFA権を行使した大竹寛で埋めようとしましたが、結局2人とも獲れなかった。さらに先発で実績のある久保康友までがFAで流出してしまい、投手編成そのものが瓦解してしまったのです」(前同)
先の井川復帰策もそうだが、阪神は国内トレードで先発投手の再補強を狙わざるを得ない。それでもそこが弱点となれば、自ずと救援陣の出番が増えていく。昨季中盤に出てきた松田は未知数であり、安藤、福原、呉昇桓の3人が軸となる。
しかし、その3人の頭文字は安藤(=A)、福原(=F)、呉昇桓(=O)で『AFO』。『AFOリレー』が失敗した場合、「AFOは『アホ』とも読める。継投ミスで負けたら、週刊誌の格好のエジキにされる」と、ファンの間で早くも囁かれているのだ。
「呉昇桓の獲得は、ソフトバンク、楽天も狙っていました。資金力のあるIT企業とマネーゲームになったら勝てない。そこで阪神は契約を急ぎ、また、呉サイドに誠意を示すため、『2年総額9億円』なんて破格の条件提示をしたそうですね」(パ球団職員)
その呉の調印式は韓国で行われた。韓国の英雄投手にふさわしい船出を演出するためだが、中村GMは何と格安チケットで往復したという。
ケチケチするなら、破格の年俸を削るべきだ。