事件当日、サッカー部のマネージャーを務めていたAさんが学校を出たのは午後6時45分すぎ。校門付近で友人と別れた後、自転車に乗り一人で帰宅していったという。
しかし、普段なら家に着いているはずの午後7時をすぎてもAさんは帰宅しなかった。心配した母親はAさんの携帯電話に何度も電話をかけたものの応答はなく、周辺地域を探したが結局Aさんを見つけることはできなかった。
翌日午前0時頃、Aさんの両親は地元警察署に捜索願を提出。警察は携帯会社の協力を得て、Aさんの携帯電話の位置を探索し居場所を探した。
そして同5時30分頃、捜索に協力していたAさんの両親の知人が、Aさん宅から1キロほど離れた農道で倒れているAさんを発見。すぐに警察に通報するも、駆け付けた警察官により死亡していることが確認された。司法解剖の結果、死因は窒息死であることが判明。犯行時刻は5月2日の午後7時から午後の8時とみられ、下着を脱がされてはいたが乱暴された形跡はなかったという。
夕方の農道で一体何が起きたのか。
実はAさんの遺体が見つかった農道は地元住民の間で変質者ロードと呼ばれ、犯罪多発地帯として有名だったそうだ。1カ月前にはAさんと同じ高校に通う女子生徒が若い男に押し倒される事件が発生したばかりで、地元では同一犯による犯行ではないかという声も上がった。
帰宅途中の女子高生を狙う変質者に、Aさんは狙われてしまったのだろうか。事件直前、Aさんはネット上の日記サービスで事件を予感しているような書き込みを残していた。「なんであんな日に限って見ちゃったのかなあ…ほんともういや…」「なんかこわいんだけどお母さんおそいよお」「違うんだよね…? 気のせいだよね?」、これが事件前日の書き込みである。
さらに事件当日には「気持ち悪い 部活どうしよ」と書き残していた。単なる学校生活の愚痴か、それとも自身を狙う変質者の存在を示唆していたのかは分かっていない。
この事件の後も、近隣の市内では若い女性が襲われる事件が多発しており、その数は数十件にも及ぶ。中には2019年現在も犯人逮捕に至っていない事件もある。犯人は今もまだ愛知県内にとどまっているのだろうか。