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福島県沖の余震で原発に高まる不安

 7月12日早朝、福島県沖を震源とするM6.8の大きな揺れが発生した。この地震によって、宮城県岩沼市、福島県郡山市、いわき市、田村市、茨城県常陸太田市などで最大震度4を観測。福島では震度4クラスの揺れが続いており、16日にはいわき市で震度4の地震が発生している。これは何を物語っているのか。
 武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏が言う。
 「3・11以降、余震の数自体は少ないが、これに慣れてはいけません。今後、本震のマイナス1くらいの規模を持つ大きな余震、すなわちM7の後半から8前後の地震が発生すると考えた方がいいでしょう。12日の地震は沿岸から140キロの地点で発生したから事なきを得ましたが、もっと岸に近いところで発生していれば甚大な被害が出たはずです」

 懸念されるのは、現在、燃料棒の取り出し作業を進めている福島第一原発の4号機だ。
 「作業は燃料プールから燃料交換器で1本ずつ燃料棒を吊り上げ、キャスクと呼ばれる鋼鉄製の容器に水中で移す。がれきを目視で取り除きながら進める、難度の高い作業です。燃料棒が空気に触れ作業員が被ばくすると、即死する可能性が高い。もし作業中に巨大地震が起きれば大参事になるのですが、廃炉に向けて進めるしかないのです」(地元記者)

 東電は4号機の燃料棒取り出しを'14年末までに終了させ、'15年9月に3号機、'17年度に1、2号機の取り出しを順次始める予定だ。
 地元記者が続ける。
 「4号機の作業は今年中に終わるが、次に待っているのはメルトダウンした原子炉。あと3年、何事もないとは誰も言い切れないので不安です」

 福島第一原発は今、胸突き八丁に差し掛かっているのである。

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