(1)入浴にひと工夫
寝る前の入浴は就寝3時間前に済ませる。ややぬるめ湯で短く。湯温は42℃を超える熱いお風呂だと交感神経が刺激され、睡眠が浅くなる。ぬるめは逆に交感神経の緊張を和らげる効果がある。リラックス・バスタイムにはエッセンシャルオイル、アロマバスなどがお勧め。
(2)夕食の取り方にもひと工夫
全てを実行する必要はないが、食事は落ち着いた所、落ち着いた環境で、毎日ほぼ同じ時間に取るようにしたい。就寝直前に食べてはいけない。食事中は仕事、読書、テレビを見るのを避ける。昼食はしっかりと食べ、夕食は量、質ともに軽くすべき。
(3)夜遅くの買い物を避ける
一般的なリビングの明るさは300〜500ルクス程度だが、スーパーなどの照明は1000〜1500ルクスもある。交感神経を活発にし、「睡眠ホルモン」のメラトニンという物質の分泌を妨げることになり、夜遅くなっても眠気が訪れず、睡眠質の低下を招く。早目に用事を済ませたい。
(4)コーヒーなどカフェイン飲料は夕方以降の飲み過ぎに注意
カフェインは寝つきのよし悪しだけでなく、睡眠の深さにも影響する。睡眠の研究者によると、250mgのカフェインを摂ると中途覚醒が頻繁に起こることがわかっている。カフェインの覚醒作用は約4時間続き、体質によっては10時間以上も続くといわれている。夕方以降、とくに就寝近い時間帯にはノンカフェインの飲料に切り替えるのがベター。コーラー、栄養ドリンク、ココア、玉露、紅茶などはカフェイン入りだ。
(5)寝酒は入眠を助けるが、睡眠は浅い
就寝前の“寝酒”は日中の緊張を解放しリラックスさせ寝つきはよくなる。しかし、アルコールが分解されていくにつれて交感神経が優位に立ち、全体的に眠りが浅く、人によっては夜中に目が覚めやすくなる。翌朝早く目が覚めるのは、眠りが浅く、十分な睡眠が取れていない証だ。
(6)運動は適度なものに限る
運動は睡眠にとってよい影響がある。種類によるが、基本的にはセレトニンの分泌を増やすことになり、睡眠ホルモン・メラトニンの分泌量が増えて快眠につながる。だが、体力の半分を超えて行う運動は、逆に体に疲労が残ってしまう。口で息が始まる(ハアハア、ゼイゼイ)・汗をダラダラかき始めてきた・1時間休んでも疲れが残っている…などの状態になる場合、逆効果になる。
(7)就寝前の考え事はやめよう
精神的なストレスがあると、ベッドに入ってからも、いろいろ考え事をしてしまう。これは交感神経を刺激する要因にもなる。精神科医によれば「寝る前にネガティブなことを考えていると悪夢を見る確率が高くなる」という。就寝前はできるだけ、リラックスできる環境を整えることが、熟睡の大事な要素なのだ。