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TKO木下とHGで明暗、芸人のファッションブランド事情

 TKO・木下隆行といえば、苦労の末に売れた遅咲き芸人。バツイチ、脂肪吸引手術を受ける、実業家で母の定子さんが70歳を超えてタレントデビューするなど、話題に事欠かない。すでに父親は他界しているが、借金を抱えながらも、4人の子どもたちを立派に育てた母は一時期、メディアに引っ張りだこ。自身が広告塔となってテレビ出演して、3人の子どもが経営する飲食グループも繁盛した。

 隆行だけが芸人という毛色の違う道を選んだが、そんな彼も今年6月、事業家デビューしていた。かねてから、ブログで毎日アップするほど大のファッション好き。その趣味が仕事につながり、ディレクションブランド・BUCCA 44(ブッカ フォーティーフォー)を立ちあげたのだ。株式会社ウィゴーが運営するファッションモール型公式通販サイトから購入するもの。店舗は構えていないが、木下のように体の大きい人でもスタイリッシュな着こなしを楽しめるとあって、サイズはMから3Lまでと幅広い。

 ファッションの仕事をしたいという長年の夢をかなえてくれたのは、原宿ファッションの代名詞といえるWEGO。若者人気の同ブランドのほうから、オファーされた形だった。ブランド名は、「ぶっかぶかという意味と、44歳(当時)の年齢、ラッキーナンバーでもある44を組み合わせた」ようだ。秋・冬アイテムはもちろん、最近はiPhoneケースを中心とした雑貨も展開している。

 そんな成功者の木下と反して、話題になる前に尻つぼみになった芸人もいる。レイザーラモンHGだ。彼は14年に自身のファッションブランド・Salon de HGを立ち上げている。プロレスで鍛えた肉体美を生かして、かつてはモデル業も兼務、ファッション誌にも登場した。もともとファッションに興味があり、絵の才能もあったため、ブランド発足にいたった。

 しかし、商品アイテムは多くなく、バックボーンもなし。発売後は、妻でタレントの住谷杏奈が東京・代官山にオープンしたカフェのワンスペースや、所属するよしもとクリエイティブ・エージェンシーの劇場、売店などに置かれていたが、ヒットのニュースは伝わってこなかった。現在は、その購入ルートすらつかめないため、休業状態と思われる。

 飲食店との2足のワラジをはく芸人は多いが、ファッションとの両立で成功させた例は、まだ少ない。HGの例を反面教師に、木下は真の覇者になれるか!?

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