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新日本G1、Aブロック序盤はオカダが笑顔の巻き返し!みのるが連勝のジェイを制裁!

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オカダ・カズチカ

 新日本プロレス真夏の最強決定戦『G1クライマックス28』は、序盤の7大会を終えた。各地で札止め、満員を連発し、会場は活気に満ちあふれている。

 Aブロックは各選手が4試合を消化し、棚橋弘至、ジェイ・ホワイト、EVILの3選手が3勝1敗でトップに。真壁刀義、マイケル・エルガン、オカダ・カズチカ、鈴木みのるが2勝2敗で追う展開だ。期待のYOSHI-HASHI、ハングマン・ペイジは善戦しているが、1勝3敗と厳しい闘い。バレットクラブOGのバッドラック・ファレは1勝3敗。ファレはユニットを立ち上げた当時に原点回帰し、反則を繰り返して、優勝候補のオカダからは白星を挙げるなど優勝より存在感をアピールすることを優先させている。3つの負けはいずれも反則負けであることから、Aブロック唯一の厄介者と化している。

 思わぬ連敗スタートで心配されたオカダだが、同門のジェイに敗れた翌日は、反則暴走で負けたことについて「同じユニットだから許す」と発言。セコンドの介入でファレに敗れた後も「どんな勝ち方だろうが負けは負け。こっからしっかり勝って、勝って、勝って勝って勝って勝って勝って、何回勝つか?ずっと勝って、とりあえず笑顔で!」と前向きだった。

 オカダは今回のG1のテーマに「笑顔」を掲げている。これまでの豪華なガウンではなく、外道とともにかわいいイラストが描かれたTシャツを着て、風船を持ちながら笑顔で入場し続けている。髪の色も金から赤に変わった。現在は色が抜けてピンク系。今年の1.4東京ドーム大会で「自分自身も変化をしないとつまらない」とタイツをパンタロンに変えて以来の大イメージチェンジを果たした。

 オカダはペイジ戦で連勝を止めると、続く真壁にも勝利し勝率を5割に戻した。リング上では珍しく「何も話すことはない」とかつての天龍源一郎さんのような発言をしてファンを驚かせた。ただ、インタビューブースでは「『頭がおかしくなって終わり』って言われたくないですから。風船持って遊んでるだけ、そんなふうに思われたくないからね。風船持って、遊んで、頭おかしくなって、勝って、カッコよくて、優勝します」とイメチェンへの批判を受け止めつつ、優勝宣言した。

 たび重なる反則や暴走ファイトで、開幕からオカダ、棚橋、エルガンを相手に3連勝したジェイだが、鈴木みのるには“高校デビュー”ならぬ“G1デビュー”したジェイのヒールファイトは通じなかったようだ。ジェイはそれまでの3戦のように序盤から場外の鉄柵や、リングのエプロンに叩きつける荒々しい攻撃で、主導権を握ろうとした。しかし、リングに戻るとみのるの関節技地獄に捕まり、動きを止められてしまう。みのるの執拗な関節技や打撃により、G1では初めてジェイの弱い部分を露呈してしまった。

 最後はジェイが急所を殴ろうとしたところを、鈴木が両手でブロック。ジェイの顔面に強烈なエルボーを放つと、一気にゴッチ式パイルドライバーを炸裂させ、3カウントを奪取。わずか10分でジェイの連勝を止めて見せた。

 試合後、みのるは「貴様はな、やっと一人で歩き始めた小僧にしか過ぎないんだよ。誰にケンカ売ってんだよ。そのお前のスイッチブレードとやらで喉を掻っ切ることか?後ろから仲間を襲うことか?違うよ」とジェイを諭した。さらに胸を叩きながら「本物のケンカは何に対してでも折れないここだ!ここ!貴様なんかにな、オレが折られてたまるか」とジェイを叱咤した。

 みのるも、棚橋、真壁を相手に連敗していただけに、YOSHI-HASHIに続いて、大物食いをしてきたジェイに勝って勝率を5割に戻せたのは大きい。一方のジェイはこれで勢いが止まるのか?次回は27日の浜松大会でYOSHI-HASHIと対戦する。

 首位の棚橋はジェイに敗れたものの「過去は変えられない!ここ何年か、ずっとパッとしなかった棚橋も変えられない!ならばどうする?最高の今を見せてやるよ!」と気持ちを切り替えた。ペイジには完勝したが「オレに預けろよ」とペイジの実力を評価し、ペイジも「棚橋とは友好的な試合がしたかった」と試合後に述べている。棚橋は開幕戦で膝を痛めつけられたものの、みのるに勝っているのが大きい。27日の浜松大会では真壁と対戦する。

 Aブロックの不気味な存在はやはりEVILだろう。EVILは開幕戦ではエルガンに力負けしてしまったが、その後はYOSHI-HASHI、真壁に連勝。ファレ戦は反則勝ちを収めて3連勝を収めている。因縁の棚橋とは8.2大阪大会、オカダとは8.5福岡大会で、ジェイとは8.10日本武道館大会でそれぞれ対戦する。この3試合を勝ち越せるかどうかが鍵になりそうだ。27日の浜松大会では、この日が誕生日のペイジとの対戦が組まれており、足もとを救われないよう気をつけなければならない。療養中の盟友、高橋ヒロムの思いも背負って参戦しているだけに、決勝進出を目指すEVILにとって負けられる試合はひとつもない。

 7.27浜松、7.30高松、8.2福岡、8.5大阪の中盤戦は、どんなドラマが待ち受けているのだろうか?取材をしていて驚いたのだが、イメチェンしたオカダは棚橋よりも明るさを放っていた。そして何よりあか抜けていたのがとても印象的で、今年のG1は絶対王者時代とは違う形で勝負してやろうという気概を感じた。笑顔のオカダは一度見ておいたほうがいいと思う。

取材・文 / どら増田
写真 / 舩橋諄

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