前出の和歌山大医学部研究グループらの調査で明らかになったのは「湿布などをして安静にして寝ているのが一番。自分で治すか放置する」と回答した人が、84%と圧倒的に多かった。湿布は「冷やすのか」「温めるのか」で意見が分かれたようだが、「最近はまず冷やすのが一般的。24時間後、あるいは痛みが軽くなってから温めるのが基本になっている」と同研究グループ。
また整体関係者などは、痛みがある時は患部や周辺を冷やして炎症を抑える方法を取っているという。冷やし方も、「湿布よりも氷のうやアイスパックを患部に当てるが、ずっとではなく、“10分間当てて10分間外す”を3回ほど繰り返すのが無難な方法」と話す。
そして初期の痛みを軽くした後は、筋肉の緊張を和らげるうえでも、血行を良くする温かい湿布の方が適切だとしている。
さらに整体専門医の一人はこう言う。
「自分で勝手に首や肩を動かして治そうとする行為は止めてほしい。かえって痛みが激しくなる恐れがあるし危険。専門家による問診を通じて、適切な施術を見つけて貰う方がよい。1週間に2〜3回通えば、大体痛みは消えると思います」
また寝違えの防止策としては、どんなことが考えられるだろうか。
(1)日頃から、首から肩、背中にかけての筋肉の緊張具合に注意を払っておくことが大切。
(2)デスクワークで背中を丸め、パソコンなどに向けて顔を突き出す姿勢を少なくする。手首が浮いた状態も肩に負担が大きい。筋肉の緊張が続くと寝違えを起こしやすい。
(3)首や肩を時々回し、ストレッチなどで緊張をほぐす。入浴は40℃程度の湯に20分以上浸かる。
(4)枕の高さや柔らかさ、ベッドならマットレスの沈み具合なども関係するので、医療関係者などのアドバイスを受けてから購入したい。
「とにかく、普段からの心がけは大事です。しかし、寝違えを起こしたら、放っておけば治ると軽くみないでほしい。整形外科や麻酔科・ペインクリニックなどの医師に診てもらった方がいいですね」(加藤院長)
なぜか。それは関節や筋肉に、別な痛む原因が潜んでいる可能性もあるからというので、念には念を押す対応が肝要ということだ。