公演の劇場は、23日に大阪城公園内にオープンした「COOL JAPAN PARK OSAKA」内「WWホール」。こけら落とし公演となる「KEREN」は、京都・大阪・神戸・奈良といった、近畿地方各地を舞台に、殺陣、歌舞伎、日本舞踊などの日本古来の伝統芸能と、オリンピック等数々のイベントを手掛けてきたデジタルアート集団「Moment Factory」のデジタルアートが混然一体となり、古今の日本の情景が絵巻物のように展開していくオリジナルレビューだ。
外国人が“日本文化”と聞いてイメージするものというと、歌舞伎やサムライ、忍者はもちろん、最近ではアニメやアイドルなどのサブカルチャー、スーツ姿のサラリーマンでひしめく満員電車や、パチンコなどもあるだろう。「KEREN」にはそのどれもが詰まっており、さながら日本文化のダイジェスト版だ。訪日外国人はもちろん、日本人も日本ならではの文化を再確認することができる。
公演を見終え、西川きよしは興奮した様子で「漫才やってるとストーリーが気になりがちだけど、無いんだね。ダイナミックで何が起こるかわからない。うちの家みたいやな」と笑いを誘いつつも、舞台の感動を伝えた。また、今年夫婦そろって73歳になるという二人。ヘレンが今回の公演に「二人で来れてよかった」話すと、きよしが「良い金婚式のお祝いになりました」と、仲睦まじい様子を見せた。
ハイヒール・モモコは吉本芸人ならではの視点で、「映像がすごかった。吉本にしたらすごいお金かけてた」と話し、これを受けてリンゴが「私らだいたいパチンコ玉ぐらいのギャラやもんな」と、舞台のエンディングで印象的だったパチンコ玉に絡めて、豪華なステージへの驚きを語った。新喜劇の末成由美と未知やすえは自らの舞台と比較。末成は、昨年8月から始まったという稽古の長さを驚き、未知が「新喜劇は前日の数時間」という稽古事情を明かした。また、未知は今回の舞台の“宙づり演出”が印象的だった様子で、「新喜劇でオクレ兄さん(Mr.オクレ)が吊られてるのとえらい違い。新喜劇もああいうのを使ってやってみたい」と、舞台人として刺激を受けたようだ。
ベテラン芸人も度肝を抜いた最先端の舞台。25日よりロングラン公演が開始するので、是非体感してみてほしい。