まず、放送作家という立場からお笑い芸人に求めるモノについて「ネタでしかないんですよね。まぁ、何かの企画でポンと売れちゃう人もいますけど、ネタが面白いって言うのがまずは入り口ですね。でも、今はコント番組やネタ番組がなくなっちゃって、芸人さんが出て行く場所がドンドン少なくなっていますよね。その状況の中で、出て行く場所を用意してあげるのが僕らの仕事なんですよね」と明かした。
また、最近では大学中退や脱サラしてまでお笑い芸人を目指す人が増えており、芸人人口が爆発している状況だが、「その割には出口がないっていう。今、ものすごく飽和状態だって聞くんですよね。ほんとに厳しい時代だなって思いますよね。ちょっと前のネタ見せ番組のブームの時に、あそこからまたグッと多くなったと思います。でも途端に番組がなくなっちゃったんでね。なかなか、このタイミングで出てくるのは難しいと思いますね。でも、目に留まるっていうのは、ネタが面白いでしかないですからね。最初の入り口はね、そこは怠らないでほしいなぁとは思うんです」と若手のお笑い芸人たちにエールを送った。
昨今、増え続けているトーク系の番組やひな壇芸人については「今はもう、どこもやってて。わりと芸人さんから聞くのは、もう話すネタがないというか、色んな番組で同じ話をしてて、やっぱそりゃそうだなって思うんですよ。いくら面白い芸人さんだとしても、そんなに毎日面白ことが起こるワケでもないので、それは大変だなとは思うんですけどね。もう今、ピークは過ぎたというか、いつまで続くのかはわからないですけども、ネタがなくなってくれば自然とそういう番組もなくなってくるだろうし、そうなるとまた違う流れが生まれるかもしれませんね」と放送作家の視点から予測した。
現在、内村氏は「内村宏幸 放送作家Class」を開設し、放送作家を育成している。「僕もこれといったものがないままきちゃったんで、偉そうなことは、何1つ言うべきことはないんですけど(照笑い)。テレビを作るのが好きだって言うことぐらいしかないですよね」と放送作家に必要な能力について語った。また、放送作家講座に募集してくる年齢は、20代ではなく意外と30代の人が多いという。「驚くんですよね。35歳以上の方が結構いたんですよね。結婚している方や、良い大学を出て本当にビックリするぐらいの企業に勤めている方もいますからね」と明かした。
若手芸人や放送作家を目指す人を応援し続けている内村氏。穏やかな口調の中にも、熱いメッセージが込められていた。
【内村宏幸】
「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば」「夢で逢えたら」「ウンナンの気分は上々。」など人気番組に携わってきた、日本を代表する放送作家の1人。現在でも第一線で活躍しているが、「内村宏幸 放送作家Class」を開設し、専任講師として未来の放送作家も育成している。カリキュラムは全20回。毎週金曜日19:00〜21:00。条件は18歳以上の男女。募集人員は20〜30名。渋谷区内の貸会議室にて。WEB通信コントClass講座も実施中。詳しくはマセキ芸能社ホームページまで。
【LIFE!〜人生に捧げるコント〜】
お笑い芸人と俳優&女優がコラボした新感覚コント番組。NHK総合 毎週木曜日22:00〜22:43放送。出演者:内村光良(ウッチャンナンチャン)、田中直樹(ココリコ)、西田尚美、星野源、石橋杏奈、坪倉由幸(我が家)、池田一真(しずる)、臼田あさ美、ムロツヨシ、塚本高史、塚地武雅(ドランクドラゴン)