「男子200メートル平泳ぎは、すでに代表当確を決めている渡辺一平が優勝したものの、タイムは2分7秒87。渡辺自身が持つ世界記録に約1秒も遅い結果となりました。女子200メートル平泳ぎは渡部香生子が制しましたが、タイムは派遣標準記録に及びませんでした」(スポーツ教会詰め記者)
競泳の個人種目だが、男女各17種目のうち、男子は15種目、女子は16種目が埋まっていない。4月の日本選手権も好タイムが出なかった。昨シーズンから日本競泳陣は伸び悩んでいる。その状況を打開するため、代表選手たちは強化合宿を強制された。
「国際大会前、強化合宿を張り、練習をするのはいつものこと。でも、今回はちょっと違いました。春先から2週間前後の合宿を何度も行い、徹底的に鍛え上げられていました」(同・記者)
強化合宿の連続は、今後も続いていくという。日本選手権に次いでジャパンオープンも“あとひと押し”が足りなかったのは、合宿による疲労も影響していたのだろうか。関係者は選手団の疲労説を否定していたが、こんな声も聞かれた。
「若い選手は才能もあるが、諦めるのも早い。一生懸命やっていますが、無意識のうちに手を抜いてしまうというか、練習も本番も必死になろうとしないんです。天才が70%の力しか出さずに練習しても、指導者には分かりません。連続での強化合宿には、選手の意識を改める目的もあります」(関係者)
成果はまだ出ていない。しかし、今後に期待する雰囲気も高まっている。
「合宿が続いたことで、男女とも選手間の仲は良くなりました」(同)
病気療養中の池江はツライ練習が続いても、他選手を明るくする力があった。練習を含め、競泳が好きだったので決して手抜きはしなかった。日本水泳連盟は池江に代わるまとめ役の出現にも期待しているようだ。