話題の劇団である上に今回の結婚が重なり、いつも以上に大盛況な(公演が行われている)本多劇場のロビー。長塚と過去共演歴のある女優(麻生久美子や水野美紀など)の豪華な花が並び、なぜか俳優の大東俊介の花がドドン。その隣に小ぶりでカワイイ花があり「倉科カナより」と書いてあった。どうもNHK朝の連続テレビ小説 「ウェルかめ」で長塚と共演していた縁らしい。
この「ウェルかめ」、低視聴率ながらけっこう面白いのだが、長塚の役どころは、主人公ナミと結婚寸前までいくけどフラれる「当て馬」みたいな役。彼はこの朝ドラ出演で「常盤貴子の夫」として、とうとう全国に顔が知られてしまい、「なんでこんなハゲあがった男が常盤貴子と!?」だとか、「父ちゃん(長塚 京三)の方がよっぽど男前だろ!」など、ネットでさんざんな言われよう。しかもこの人、芥川賞作家の柳美里先生から「糞ツマラナイ芝居をやってる男!!」とブログで罵られたり、「教育的でもない内容なのに何でだ?」と文化庁管轄の助成金をもらえなかったライバルの劇団から文句を言われたり、なにしろ「叩かれやすい体質」をしている。本人の知らないところでというのがまたキモなのだが…。
話題の新作『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』がどうなのか? というと、まあまあの出来。チケットもほぼ完売状態なので堂々とネタバレするが、初老のミステリー作家(光石研)が、一夜を共にしたファンの女(小島聖)の落下事件を元にした、最近よくある脳内ストーリー。「ブラック会社〜」の映画でワーワーうるさかった池田鉄洋が静かだったり、「渡る世間〜」の馬渕英俚可がハスッパ娘だったり、内田亜希子が可愛かったり、まあいろいろだが、爪の先から髪の毛一本まで「女のツヤ」を思わせる小島聖。ラストはほとんど”まばたき“しないという熱演ぶり。ボインで腰の位置が高いのは知っていたけど、あんなに綺麗だとは思わなかった。声もキレイ。暴動を恐れてか、長塚本人の登場はナシだ。
“阿佐ヶ谷スパイダース”という面白そうな名前のわりにはあんまり弾けてないので、記者はちょっとガッカリしたが、長塚の演出は若手にしては品があるし、決して柳美里先生言うところの「糞ツマラナイ」劇でもない。「毛皮族」や「ポツドール」のようなサブカルチャー的な要素は意外に低く、地味でマジメな劇だった。
それにしても、地味で温厚そうなたたずまいとは反対に、巨乳グラビア・アイドル倉科カナとサブ恋人役で共演し、色っぽい小島聖に舞台の稽古をつけ、家では常盤貴子が裸エプロンで待っている(?)という、長塚圭史の“ひとり巨乳祭り”生活。うらやましいを飛び越えて、世の男性諸君は「殺意さえも」抱きやしないか?(コアラみどり)
写真 (阿佐ヶ谷スパイダースの最新作『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』が行われている、本多劇場)