本好きのリビドー

ノンジャンル 週刊実話 2019年09月22日 06時03分

本好きのリビドー提供:週刊実話

◎悦楽の1冊
『新視点関ヶ原合戦―天下分け目の戦いの通説を覆す』 白峰旬 平凡社刊 1600円(本体価格)

★論点を整理し新たな視点で実態に迫る

 新幹線で岐阜を通過する瞬間が好きだ。車窓の外に広がる「関ヶ原古戦場跡」のパネルを見るたび、672年の壬申の乱に続き、いわば“日本の決勝戦”の舞台に二度も選ばれるとは、さすが美濃国だけに濃い土地の歴史性に感慨を禁じ得ない。

 東軍の黒田長政らによる調略工作が奏功し、西軍内部は切り崩され足並みが乱れているはずが、いざ関ヶ原で戦端が開かれると傍観を決め込む他の諸将を尻目に石田三成、小西行長、宇喜多秀家の西軍主力が数の劣勢をものともせぬ猛攻をみせ大奮戦。むしろ押され気味の味方を眺め焦った家康が、膠着状態を打破するため、裏切りを約束していながら動かぬ小早川秀秋の陣取る松尾山に向かって、一か八か、催促と恫喝の両面で鉄砲(一説に大砲とも)を放たせたのに驚いた小早川勢が、一気に雪崩を打って味方の大谷吉継に襲いかかったのを契機に、戦局の帰趨は東軍勝利に決した…。

 と、ここまでは司馬遼太郎の『関ヶ原』や通説に大胆な疑問を呈した隆慶一郎の『影武者徳川家康』ですら、絶対お約束の名場面として共通に描写するいわゆる家康の“問鉄砲”と呼ばれるもの。

 ところが、著者の研究によればそんな事実は全くなく、秀秋ははるかに早くにとっとと裏切っていたというから驚くばかり。信頼に足る一次史料、文献を読み解くほどに従来抱かれてきたイメージが、文字通り定説でなく小説に近い虚構であることが次々浮かび上がる(徳川の命運を分ける戦に外様が先鋒でたまるかと、井伊直政が抜け駆けしたのまで嘘だとか)。いやはや源平の昔なら壇の浦の合戦で那須与一が見事射落とした扇の的など、初手から掲げられていなかった級にショックだが、これぞ歴史探究の醍醐味なのだろう。
_(居島一平/芸人)

【昇天の1冊】

 いよいよ9月20日からラグビーワールドカップ2019が開幕する。日本での開催は初めてということもあり、期待も高まっている。

 そんな時だからこそ読みたい1冊が、ラグビー界のスーパースターだった男の言葉を集めた『平尾誠二名言録』(宝島社/1300円+税)だ。

 平尾誠二の名を知らない人は少ないだろう。高校・大学・社会人を通じて常に第一人者であり続け、引退後は日本代表監督にも就任。2016年、53歳の若さでこの世を去ったニュースは、日本中に衝撃と悲しみを与えた。

 むろん平尾が活躍していた時代から、現在の日本ラグビーは大きく様変わりした。国際化が進み、日本代表ヘッドコーチ(監督)はラグビー先進国から招聘、代表選手の大半も外国人、戦術などに関しても、世界と互角に戦えるほど成熟していると聞く。だが、その姿を平尾は生前に予見していた、そう思わせる言葉の数々が、この本にある。

「根性を期待しているうちは、個人の判断力は育たない」「日本らしかったから負けた、と言うべき」「楽しむためには、ある意味、命を懸けなければならない」。

 ラグビーだけにとどまらず、日本スポーツ界の今あるべき姿を語っている。根性論一辺倒から脱却し、だが、戦意と闘志はこれまで以上に持ち、“日本らしさ”にこだわるより柔軟に対応し、そして、何よりも楽しむこと。

 先見性に満ちた多くの名言を胸にW杯を見れば、日本代表の戦いがより一層楽しめるかもしれない。
(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)

【話題の1冊】著者インタビュー 玉木雄一郎
令和ニッポン改造論 毎日新聞出版 1,000円(本体価格)

★「万年野党」から「次世代の与党」の立ち位置へ

――参議院選挙では国民民主党は議席を減らしてしまいました。この結果を、どのように受け止めていますか?
玉木 今回の参院選は、昨年5月に結党して初めて迎える国政選挙でしたが、国民民主党の党籍を持つ議員が追加公認を含め、8人当選しました。改選が8議席でしたので、選挙前の政党支持率が1%前後という中で、何とか踏ん張って現有議席を維持した形です。
 一方で、野党の危機が露呈した選挙でもありました。既存勢力がどこも勝っておらず、すべて力を落とした中で、ネットが勝った、という日本政治史上の転換点ともなりかねない参院選でした。

――10月から消費税が10%になります。どのような影響が出ると思いますか?
玉木 景気に悪影響を与え、消費を冷え込ませます。アベノミクスで大都市や大企業は豊かになりましたが、地方や中小企業は苦しいままです。そんな中で消費税を増税すれば、さらに家計にダメージを与えることになります。また、食料品などの税率を据え置く軽減税率の導入は、財源のほとんどが中高所得者に投じられるため、低所得者対策になっていません。しかも小規模事業者には事務負担が増え、打撃となります。

――年内に衆議院解散という話もあります。野党共闘についてはどのように考えていますか?
玉木 政権奪還に向けて、野党が本気になるかどうかが問われています。前回衆院選の後から、私は野党が大きな塊になるべきだと訴え続けてきました。
 今回の参院選の結果を受けて、野党で統一会派を模索する動きが出ていることは歓迎しています。
 我々国民民主党は「家計第一の経済政策」を掲げ、徹底的に家計を温め、教育費と住居費の負担を軽減することを打ち出しています。
 次期衆院選では他の野党との選挙協力は欠かせませんが、共産党とは、自衛隊や天皇制についての考えを一致させなければ、政権を共にすることは考えられません。

――支持率拡大に向けての“秘策”はあるのでしょうか?
玉木 国民民主党は、「つくろう、新しい答え。」をキャッチフレーズに、将来の日本に必要な答え、斬新な政策を提示し、常に挑戦し続けます。ネット戦略も、時には炎上をいとわずに、我々の目指す国の形を拡散していきたいと思います。
 私たちは、自らの立ち位置を「万年野党」ではなく「次世代の与党」と見られるように、メタモルフォーゼ(変身)していかなくてはなりません。
_(聞き手/程原ケン)

玉木雄一郎(たまき・ゆういちろう)
1969年香川県大川郡(現・さぬき市)寒川町生まれ。’93年東京大法学部卒業後、大蔵省(現・財務省)入省。’97年ハーバード大学ケネディスクール卒業。’09年8月の衆院選で初当選。以来、連続当選4回。’18年9月、国民民主党代表に。

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