一歩一歩、確実に成長している。目下、新馬→オープン特別を無傷の2連勝。デグラーティアが残した蹄跡は内容も素晴らしい。
デビュー戦はレースの意味がまだ分からなかったのか、押っ付けながらの追走だったが、前走のフェニックス賞は抑え切れない手応えで好位からあっさり抜け出した。
「物覚えがいいし、レースにいってすごくセンスを感じる」と宮本師も納得の強さだった。いずれも勝ち時計は平凡だが、「それは大丈夫。そういう流れになれば、あと2秒は詰められる」と強気な姿勢を見せた。
中間の動きもいい。27日の1週前は栗東坂路で終い重点。800mこそ55秒2だが、ラスト1Fは12秒7と鋭い切れ味を発揮した。
「レースを2回使って体調はかなり良くなってきたね。ケイコでも行きっぷりがすごくいい。それに今回は馬を見ても分かる通り、体に張りがあって本当にいい気配だよ。何より、輸送しても体が減らないのがいい」
完成手前の牝馬はカイ食いで苦労するもの。しかし、当馬は違う。しっかり走って、しっかり食べる。それが強さの源だ。
「昨年はミリオンウェーブで2着したけど、今年はそれ以上に自信がある」と宮本師のトーンは上がる一方。小倉で生まれ育った浜中とのコンビで出世レースの一番星に輝けば、来春の桜が見えてくる。
【最終追いVTR】DWコースで5F70秒2。輸送を控えているため全体時計は遅いが、終い軽くハミをかけられると11秒7と鋭く反応した。牝馬とは思えないほどガッチリとした馬体は相変わらず見栄えがする。毛ヅヤにも光沢があり、引き続き好調だ。