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小林宏之が阪神からのラブコールに即答できなかった真相

 小林宏之投手(32=前千葉ロッテ)の阪神入りに傾倒しつつある。一部では「合意は時間の問題」とも伝えられていたが、小林にとって、阪神入りの決断は『苦渋の選択』でもあるようだ。

 小林は昨季、57試合に登板し、29セーブを挙げた。千葉ロッテの“逆転日本一”に大きく貢献した1人ではあるが、メジャー志向は有名だった。昨季、ストッパー転向を受け入れたのも「先発も、リリーフも両方できる」という自己アピールだった。しかし、メジャースカウトの評価は厳しく、「マイナー契約なら行かない」と言い始めた。
 そんな揺れる心境の際に阪神がラブコールを送ったわけだが、小林はすぐに交渉のテーブルに着こうとはしなかった。

 「昨季、221イニングを投げ、17勝を挙げたカール・パバーノ(ツインズ)でさえ、まだ去就が決まっていません。不景気が影響しているからです」(1月9日現地時間時点/米特派記者の1人)
 パバーノの移籍先も決まらない米FA市場に関して、その見方は大きく分かれる。1つは「大物、有名選手の去就が決まらなければ、メジャーでまだ実績のない小林にまで交渉の順番はまわってこない」なる見方。もう1つは、交渉のチャンスすら絶望視する声だ。
 「小林の代理人はアラン・ニーロ氏です。氏は近年では前楽天の福盛和男投手、城島健司捕手の代理人も務めてきました。メジャーでも一目置かれています」(前出・同)
 阪神が小林に接近したのは“城島繋がり”のようである。
 一部報道によれば、小林サイドには米6球団が交渉を持ち掛けたが、全てマイナー契約だったという。小林と同代理人は米FA市場を再調査し、この先、メジャー契約できる球団が現れるのか否かを見極め、阪神との交渉に臨むことになる。

 しかし、小林を悩ませている要素は『阪神側からのオファー』にもあった。
 真弓明信監督(57)は小林を『セットアッパー』で使いたいと言う。
 「真弓監督が関西系のテレビ番組に出演した際、『(クローザー・藤川)球児の前がいちばんかな』とコメントしています」(関西メディア陣の1人)
 この真弓発言を伝え聞いた小林サイドは身構えてしまったそうだ。繰り返しになるが、小林が昨季、クローザー転向(リリーフ)を受け入れたのは自己アピールのためである。日本残留となれば、“不本意なリリーフ”を続ける意志はない。
 「小林は考え方が柔軟というか、我を通すタイプではありません。真弓監督が阪神の投手事情をきちんと説明すれば大丈夫だと思いますが…」
 千葉ロッテ時代の小林を知るプロ野球解説者はそう言う。

 昨季、阪神はチーム防御率を3.28(09年)から4.05に落とした。中継ぎ陣全体の防御率は4.23。09年は2.84だった。しかも、試合終盤8回以降の総失点は09年の40点から81点に膨らんでいる。データ上、低迷するリリーフ陣に小林を加える戦略は正しい。しかし、テレビ番組で明かすとは、真弓監督も唐突すぎると言わざるを得ない。
 「いや、小林だったら、マイナーからでも這い上がれるはず。マイナー契約と言っても『スプリット契約』のようですし、メジャー挑戦をすぐに諦める必要はない」(前出・プロ野球解説者)
 スプリット契約とは、オープン戦の結果次第でメジャー契約に切り換えられる“条件付き契約”のことだ。
 連休明けの1月11日以降、小林サイドは阪神との交渉に応じるとの一報も駆け巡っていた。小林が阪神サイドと対峙するときは、「メジャー断念」に加え、「リリーフ専念」を受け入れる覚悟も決めたときでもある。いっそ、古巣に帰還した方が良さそうな気もするが…。(チームデータは2010年12月発行・日刊スポーツを参考にいたしました)

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