新日本プロレス6.20後楽園ホール大会で、『G1 CLIMAX 27』エントリー選手が場内のスクリーンで次々と発表される中、最後の選手が発表される前に、その選手の背中とともにこんなメッセージが流された。その選手とは、“ゴールデン★スター”飯伏幸太である。
飯伏は2013年10月に日本プロレス界初の2団体所属(もう1団体はDDTプロレス)として、新日本に入団したが、頸椎椎間板ヘルニアの影響で、2015年11月より長期欠場。昨年2月に両団体を退団後、復帰を果たし飯伏プロレス研究所の所属として国内外の団体に参戦。新日本マットには約1年8か月ぶりの復帰となる。
飯伏は過去にジュニアヘビー級時代の2013年と、ヘビー級に転向を果たした2015年の2度『G1』に出場しているが、いずれも4勝5敗と決勝進出はおろかリーグ戦で勝ち越せてもいない。注目のブロック分けは6.26後楽園大会で、各大会の公式戦は翌6.27後楽園大会で発表されるが、飯伏の参戦が発表されるとブロック分けやカード発表を待たずして、各大会の前売り券の売り上げが伸びており、完売の席種も目立ってきた。優勝決定戦が行われる8.13両国国技館大会をはじめ、チケットが残りわずかという大会も少なくない。飯伏の『G1』参戦、新日本マット復帰のインパクトは、悲鳴にも似た大歓声があがった後楽園ホールだけではなく、新日本プロレスワールドなどで生中継を見ていたファンもSNSで一斉に発信したため、プロレスファンのSNSのタイムラインがしばらくの間、飯伏一色となるといったパニック状態だった。
「悪くなってしまったので、闘いたいですね」
今年の3月12日に放送された『現役・OBレスラー200人&ファン1万人がガチで投票!プロレス総選挙』(テレビ朝日系)の中で、15位にランクインしたかつての盟友ケニー・オメガを前に、ゲスト出演した飯伏はこんなコメントを残している。オンエア後、このコメントに対してケニーが反応したことで、ファンも「いつかはまた2人の試合が見たい」という声が高まっていた。また、飯伏の口からは節々に同級生である内藤哲也を意識する発言も飛び出しており、飯伏退団後にヒールとして大ブレイクを果たした両選手との対戦が、今年の『G1』で実現するのか、非常に注目される。
他にも激闘を繰り広げたオカダ・カズチカや、飯伏が神と仰ぐ棚橋弘至、そして3年ぶりに出場する鈴木みのるには勝ったことがない。また飯伏退団以降に新日本マットに登場したSANADAや、凱旋帰国したEVIL、ザック・セイバーJr.との対戦も実現すれば新鮮だ。
今年の『G1』のキャッチコピーは“日本全国 闘いサマー!!”とつけられた。猛暑が予想されている今年の夏。“鬼軍曹”故・山本小鉄さんの言葉を借りるなら、リング上が40℃を超えるのは間違いない。
ゴールデン★スターが電撃復帰を果たす今年の『G1』は、9月から来年1.4東京ドーム大会までの新日本マットを占う上で、大きな意味を持つ大会になる。新日本マットの中心に飯伏は再び割り込んでくるのか?全試合を見逃すな!
■『G1 CLIMAX 27』出場メンバー
棚橋弘至【16年連続16回目の出場(※2007年&2015年優勝)】
真壁刀義【14年連続14回目の出場(※2009年優勝)】
マイケル・エルガン【3年連続3回目の出場】
オカダ・カズチカ【6年連続6回目の出場(※2012年&2014年優勝)】
後藤洋央紀【10年連続10回目の出場(※2008年優勝)】
石井智宏【5年連続5回目の出場】
矢野通【11年連続12回目の出場】
YOSHI-HASHI【2年連続2回目の出場】
ケニー・オメガ【2年連続2回目の出場(※2016年優勝)】
バッドラック・ファレ【4年連続4回目の出場】
タマ・トンガ【2年連続2回目の出場】
内藤哲也【8年連続8回目の出場(※2013年優勝)】
SANADA【2年連続2回目の出場】
EVIL【2年連続2回目の出場】
小島聡【2年ぶり15回目の出場(※2010年優勝)】
永田裕志【19年連続19回目の出場(※2001年優勝)】
ジュース・ロビンソン【初出場】
鈴木みのる【3年ぶり7回目の出場】
ザック・セイバーJr.【初出場】
飯伏幸太【2年ぶり3回目の出場】
全20選手が、AブロックとBブロックに10選手ずつ分かれて、7.17北海きたえーる大会から8.12両国大会までの18大会で総当りリーグ戦を開催。両ブロックの1位選手が、8.13両国大会で優勝決定戦を行う。
(どら増田)
【新日Times vol.71】
※写真:飯伏幸太選手 (C)新日本プロレス