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男と女の官能事件簿 大阪連続女性監禁事件(2)

 大阪府茨木市のマンションの一室で衰弱した女性が保護され、通報した同居人の森田篤志(42)が逮捕監禁などの容疑で逮捕された。女性は24歳だというのに、体重が30キロほどにやせ細っており、しかも体には火傷や打撲などの跡が生々しく残っていた。

 そして、警察の捜査によって、森田が女性を監禁してろくに食事も与えず、両手を縛って暴行を加えるなどの虐待を続けていたことが明らかになっていった。
 さて、この森田という男、もとは裕福な家系に生まれた、いわゆるボンボンとして育った。
 森田の祖父は、市内数か所に土地を所有する資産家で、父親も地元で建設会社を経営していた。犯行現場となったマンションも、父親の会社が所有しており、森田は犯行当時、管理人として住んでいた。
 森田の一族も一時期はかなり羽振りがよく、地元でも知られた存在だったという。森田一家は「いつもきれいな服を着て、いかにもお金持ちという感じの上品な家族」といった感じだったようだ。
 また、事件の10数年前までは、マンションの一階で森田の母親が喫茶店を開いており、森田も姉や弟たちと手伝いをしていた。その頃の森田は、「明るくて愛想のいい青年」として、近所でも評判だったらしい。学校を卒業後も、森田は父の建設会社でまじめに働いていた。

 その一方で、森田のいわば「影の顔」も早くから現われていたともいわれている。
 甘やかされて育ったためか、小学生の頃から森田にはわがままで自分勝手な傾向があったという声も少なくない。それが女性に対する興味に傾いて、いくつかの事を起こしているという。
 たとえば、小学生の頃には、マンションの一室に女の子を連れ込んでイタズラしようとしたことがあった。この時は女の子が逃げ出して事なきを得た。
 しかし、中学に入ってからも、ストーカーまがいの行為をして近所で騒ぎになったことも。
 そうしたことがある度に、家族は相手に何度も詫びを入れて、なんとか事を収めていた。時には現金で解決することもあったとも言われている。
 ところが、90年頃のバブル経済崩壊によって、父の会社は倒産してしまう。何の不自由もなく育った森田も、失業状態となる。そして、森田の人生の歯車が、大きく外れていくこととなる。
(つづく)

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