もう本物だ。5カ月ぶりとなったプロキオンS。9番人気の低評価に反発するように3着に好走したドンクールが、絶好調・後藤騎手を配し、1年4カ月ぶりのV奪取に燃えている。
「坂路で動いていたからある程度は期待していたんだけど、よく走ってくれたね」前走をこう振り返る佐々木厩務員の口ぶりも滑らかだ。
以前はすんなりした展開でなければ力を出せなかったが、ここ3走はワイルドワンダー、ヴァーミリアンら砂の強豪相手に連続3着。一時のスランプを脱し、グンと安定感を増した。
その秘密は調教の工夫にあるという。「Bコースを1周した後、坂路を上ったり攻め馬を随分強化したからね。それに耐えて体質も強くなった」とうなずいた。
今回、気になる点は久々の後の中1週。「あまり経験がないから」と反動を気遣う佐々木厩務員だが、もちろん、不安よりも期待の方がはるかに大きい。「オープン特別で相手関係は楽だからね。秋に向けて、ぜひとも賞金を加算したい」と気合が入っていた。
2-3歳時にかけては無傷の5連勝を飾り、カネヒキリなどと互角の勝負を演じていたドンクール。雌伏の時を経てようやく目を覚ました砂の猛者の逆襲が始まった。
【最終追いVTR】もともと攻め駆けするタイプとはいえ、余力を残したままラスト1F11秒2は立派。馬体もいい意味ですっきりとしてきた。休み明けをひと叩きされ、型通りの良化を見せた。