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皐月賞(JpnI、中山芝2000メートル、19日) 特捜班は波乱の主役に良血トライアンフマーチを指名

 父はダービー馬、母は桜花賞馬。超良血馬の一発を狙う。3強対決で盛り上がる「第69回皐月賞」(JpnI、中山芝2000メートル、19日)だが、伏兵陣も多士済々。なかでも注目は名牝キョウエイマーチを母に持つトライアンフマーチだ。父も今ブレーク中のスペシャルウィークと血統背景は文句なし。名馬の「量産工場」角居厩舎がじっくり仕上げ、内にモタれる面も解消。最終切符を争う若葉Sで2着に食い込み、出走権を手にした。ポテンシャルは3強にも劣らない。強運を味方に一発を狙う。

 春は馬が大きく成長する季節。慌てず、じっくり育てられてきたトライアンフマーチも上昇気流をうまくつかまえた。
 「使いつつ筋肉がついて、馬体がすごく良くなってきた。心身ともにどっしりした感じになって、カイバ食いも本当に良くなってきた」と清山助手はうなずいた。
 父は先週の桜花賞をブエナビスタが勝って、目下、大ブレーク中のスペシャルウィーク。母は1997年の桜花賞馬キョウエイマーチだ。GI馬を大量生産する角居厩舎に入厩したことでも分かる通り、生まれた時から大きな期待を背負っていた素質馬だ。
 だが、高素質のお坊ちゃまにありがちな、若さと弱さがデビューを遅らせた。新馬戦は今年の1月。当初は内にモタれるなど、粗削りな面も目立っていた。

 しかし、前々走で未勝利を勝つと、前走の若葉Sでポテンシャルの一部を開放してみせた。ベストメンバーの決め脚には屈したが、昇級初戦で好位付けからきっちり2着を確保したあたりがセンスの高さだろう。
 「前走は一気の距離延長にも対応してくれたし、皐月賞にメドの立つ内容だった。何より、最後まで集中力が途切れなかったのが収穫だね。中身の濃いレースだった」
 特捜班もこの一戦ごとのステップアップに穴気配を感じるのだ。
 中間はさらに成長を感じさせている。15日、CWコースで行われた追い切りは3頭併せで力強く伸びた。武幸騎手が「こちらが思っている以上に成長している」というほど、モタれる面も見せず、まっすぐ伸びたあたりに好感が持てる。
 「何しろ、期待の良血馬だからね。上位3頭が強いのはよく分かっているけど、チャレンジ精神で思い切って挑みたい」と清山助手は笑みを浮かべた。
 なくすものはなにもない。軌道に乗った良血馬の走りに夢を託すのも悪くない。

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