ストリップで裸芸を磨いたり、霊能力を身に付けるために修行したりと毎回過激かつ斬新な企画で視聴者を楽しませてきた同番組。小島と狩野、そしてエスパーという絶妙な芸人チョイスもコアなお笑い好きにアピールした。特に芸人として規格外のエスパーの行動は、視聴者はもちろんのこと共演の2人をも驚かせた。「捕まったらカンチョウされるという企画で、エスパーさんが本気で森の中に逃亡して」(小島)、「担当のカメラマンもエスパーさんを見失ってしまって、スタッフ全員で『エスパーさん! カンチョウしないから出てきてください』って」(狩野)と撮影時の行動を振り返る。また「カメラが回っている時に、急にフラッとトイレに行っちゃたり」と狩野が明かせば、小島も「心霊企画の際は、エスパーさんの写真が心霊写真みたいに撮れてしまったら『帰る!』ってキレちゃって…」。
完全な欠席裁判となってしまったが、もちろんこれら発言は愛ゆえのもの。「いじられキャラの最高級でしょうね。カメラが回っている前で普通に酒を飲むし、とにかく自由な人」(狩野)、「受け流すことがなくて常に全力。カメラ回っていてもいなくても、全身全霊」(小島)と芸歴22年のベテランに賞賛を惜しまない。また小島は「逆にカメラが回ると緊張しちゃうのかな? 何言っているかわからないときあるし、寝ちゃうし(笑)」とエスパーの天然を超えた自然ぶりを明かし、狩野も「ボケと突っ込みという概念ではなく、僕らはエスパーさんの介護でしたね」と話す。その反面、エスパーは晩御飯やタクシー代をおごってくれたり、小島や狩野が舞台に出るときには必ず花束を贈ってくれるのだとか。しかし小島曰く「ご自分で電話をして花束を送ってくれます。でも何を言っているのか通じないことが多いので、エスパーさんのマネージャを介して届きますけど」とここでも規格外だった。
3人にとって初冠番組となった本作は、スタート時こそ不安定だったが、回を重ねるごとにキー局では絶対に観ることができない過激かつ奇抜、妥協のない笑いを提供した。狩野いわく「実は企画も僕ら芸人で考えていたんです。スタッフさんたちとお昼を食べながら、こんなのどうかみたいな。民放ではできないようなことを自由にやらせてもらったのは、ありがたいですね」とのこと。しかし提案していざ企画実行となると「ロケのスタートは皆明るいんですけれど、ロケ終わりは体力を消耗しきっていました」(狩野)、「一日2本撮り。しかも過激なものをやると神経が麻痺して、回を増すごとにより過激になっていく。最終回はカンチョウですからね」(小島)とハードな番組作りであったことを明かす。
現在は女芸人版として「大久保×鳥居×ブリトニー 3P」が絶賛放送中だが、彼ら3人の「3P」を今一度見たいというファンは多いはず。もし次回集まるとしたら「海外に行って、僕ら3人の笑いがどこまで通用するかを試してみたい」と小島が語れば、「エスパーさんが本当に結婚したがっているので、次があるとしたらエスパーさんを結婚させたいですね」と狩野。しかし「この番組は太くて短いロウソク、しかもよく燃えるヤツ。見る方も僕らやる方もかなり体力を必要とするし、長くやっていくとマンネリ化すると思うんです。あれ以上続いたら過激さが頂点に達して事故が起きていたんじゃないかな(笑)? しばらく冷却期間が必要ですね」(小島)、「肉体と精神の休憩が必要だね」(狩野)とのこと。
最後に「今のテレビじゃ観ることができない笑い、ピン芸人としてではない違う僕らの一面を見てほしい」(小島)「エスパーさんが面白いということと、放送できなかった過激な映像を楽しんでもらえれば」と待望のDVD化に思いを託す。神がかり的笑いを作った3人が充電期間を終えるまでは、全4巻のDVDで予習といきたいところだ。
DVD「小島×狩野×エスパー 3P Vol.1」は東映ビデオより発売中(税込み:3,990円)。8月18日には、小島、狩野、エスパーと女版スリーピースから鳥居みゆき、浜田ブリトニーが出演する購入者限定のイベントがタワーレコード渋谷店で開催。